日本電気と国立大学法人筑波大学は2月10日、疾患や体調の変化などにより皮膚組織に水分がたまる症状である浮腫(むくみ)の度合いを、AIを活用して顔映像から推定する技術を開発したと発表した。
浮腫は腎疾患や心疾患、肝疾患などさまざまな原因で生じるが、その患者数は透析34万人、心不全120万人と推定されている。浮腫の状態を日常的に確認する技術は、原因となる疾患の状態の変化を把握し、慢性期の悪化防止や早期発見につながるため、その実現が期待されている。
従来、透析患者は浮腫の簡易計測手段として体重計を用いているが、今回開発した透析患者の顔映像から浮腫の度合いを推定する技術を検証した結果、従来の体重測定による計測を代替できる精度であることを確認したという。
本技術は、スマホやタブレット端末のカメラで撮影した顔映像で推定ができるため、外出先や車いすの利用者でも負荷なく利用ができ、場所や環境の制限を受けにくいデータ取得ができることから食事や排泄による浮腫度合いの経時変化の分析などが可能となるとしている。
日本電気とと筑波大学は今後も連携し、本技術の向上のため更なるデータ集積を図るとともに、医療介護・ヘルスケア分野での具体的応用に関して探索。2024年度の実用化を目指すという。
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