目玉機能は「シナリオモード」
極めてニッチなセグメントに鋭角に切り込んだ
店頭でDM250のそばに置いてあったパンフレットを見ていちばん戸惑ったのは、DM250の目玉機能が「シナリオモード」だったことだ。実際にシナリオモードを使ってはみたが、単に縦書きのアウトラインモードという印象だった。DM250の販売目標は8000台くらいと聞いた。だとすると、かなりの人数がこのシナリオモードを多用するシナリオライターさん系なのかもしれない。やはり筆者は、確実に対象セグメント外の層のようだ。
極めてニッチなセグメントに鋭角に切り込んだポメラ DM250というデバイスを、筆者は明らかに勘違いして衝動買いしたイメージだ。DM100、DM200、DM250と世代が変化するたびに、ポメラはよりニッチで専門的なセグメントに目標を変化させてきている。明らかに「どこにでも持ち歩いてその場でテキスト入力ができてパソコンやスマホ、クラウドとのデータ共有を簡単にできる」という考え方とは、少しずつ遊離してきているのがわかってきた。
過去のDM100、DM200は言うまでもなく、とてもPCやスマホとフレンドリーでクラウドとの相性が良いとは言えないのは確実だった。DM250は新しく刷新した専用アプリ「pomera Link」によって、DM250とスマホ間での直接ファイルの送受信ができるようになり、少なくともスマホとの関係性はかなりスマートになったと理解していた。
前作のDM200に続いてWi-Fi機能を搭載したDM250は、スマホとのやり取りをメニュー内の「ツール」で実施する。ツールのメニューを開くと中には電子辞書やカレンダー、スタイルの3点を除き、ポメラ DM250の通信機能の活用やテキストデータを外部のデバイスとやり取りするためのメニューがいくつか表示される。
QRコード、アプリ接続、アップロード、PCリンクの4つの機能がそれらだ。QRコード変換によるテキストデータのスマホへの読み込みは、初期のポメラから採用されていたユニークな機能だ。ポメラ内のテキストファイルをQR化して、スマホにインストールしたアプリで読み込む仕組みだ。世代と共に成長もしており、着想はおもしろいが手続きはユニークで人によっては面倒だ。
そして「QRコード」は今回のDM250でもサポートされている機能だが、スマホ側のアプリとして「pomera Link」を事前導入することが前提だ。今回刷新されたスマホとポメラ DM250とのデータ共有を実現する「アプリ接続」も、pomera Linkをスマホ上で使用することが前提だ。今回、筆者はメインスマホのGalaxy Z Fold4に導入した。
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