コアの増分に見合う以上の性能を発揮したGPU
一方、GPUに関してはコアそのものの設計は、M1とM2での違いは大きな違いはないと見られる。ベースになっているAプロセッサのGPU設計に大差がないためだが、GPUコアが増えれば当然発熱、電流量の増加もある。
Geekbench 5のGPU演算能力スコア(Metal)の86473は、M1 Maxの64708に比べて33.6%良好な値が出た。コア数の増分は約18.7%に相当するため、コアの最大クロック周波数もCPUと同様に上がっていると考えるのが妥当だろう。
ちなみにこのスコアは9万8000円でオプション設定されているMac Pro用のGPUカード「AMD Radeon Pro W6600X」を超えるものだ。時代が異なるとはいえ、デスクトップクラスのGPU性能とは言えるだろう。
また、84万円と極めて高価なMac Pro用ハイエンドGPUカード「AMD Radeon Pro W6900X」のほぼ半分の値という言い方もできる。あくまでも推測ではあるが、M2 UltraがM2 Maxの1.9倍のGPU性能を引き出せると仮定するなら、その数字に肉薄できることが予想できる。
ゲームシーンをシミュレートするGFX Benchmark Metalも実施したが、Epic GamesのFortniteがMacから失われ、大規模な3DグラフィクスゲームがMac向けにはない現状、ゲームシミュレーションには大きな意味は現時点ではない(Apple Arcadeのゲームに関してはGPUに比較的優しいため、あまり影響はないだろう)。
Metalをもっと活用した大規模な3Dグラフィクスを駆使するゲーム登場をアップルは促しているため、将来はわからないが、現時点ではクリエイター向けの演算能力として、バッテリー駆動で利用するプラットフォームとしては最高クラスの性能と、圧倒的な省電力性能ではある。Media Engineの助けもあり、高精細なビデオストリームをProResで複数扱う編集をしていても、バッテリー残量などを気にしなければならないことはほとんどない。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります