MacBook ProとMac miniに搭載されたM2 Pro、M2 Maxの性能が明らかにできるタイミングとなった。アップルが自社開発するMac向けSoC「M2」は、すでにMacBook Airに搭載されていたが、今回はその高性能版がどのような性能を持つのか。そしてMac miniに搭載されたM2がどこまで性能を発揮するのかなどに興味を持つ読者も多いだろう。
筆者の手元には一足先にM2 Max(12コアCPU/38コアGPU/64GBメモリ)を搭載するMacBook Pro 16インチモデルが届き、短期間ながらその性能を探ってみた。
本稿は主にM2ファミリーの上位モデル展開について話を進めていくが、見た目は全く同じMacBook Pro 16インチモデルだが、Wi-Fiのスキャンをしてみると周囲に見えるWi-Fi 6Eの基地局がしっかりと見えていた。Thunderbolt端子からの映像出力も8Kディスプレイに対応可能となるなど、システム全体が最新の環境に適応できるようリフレッシュされている。
またM1 Max搭載モデルと比較しながら各種アプリケーションを使ってみたが、若干ではあるが輝度設定を同一にしてバッテリー駆動でベンチマークを動かしてみると、M2 Max搭載モデルの方が消費電力は少ない。
さて、ここから先はM2 Max搭載機の性能から、M2ファミリー全体の実力を俯瞰してみることにするが、先に大まかな結論から書いておきたい。
M2ファミリーは第2世代5ナノメートルプロセス(TSMCでいうところのN5P)で製造されているとはいうものの、M1ファミリーとトランジスタの集積度は同じ。M1からM2にかけてはMedia Engine搭載という大きなトピックもあったが、マイナーチェンジ感は否めない。
しかし蓋を開けてみると、製造プロセスの進化(TSMCによるとN5Pは消費電力効率で10%、同じ消費電力ならば最大性能は5%向上するという)をフルに生かし、SoC全体のシステム性能を大きく向上させている。これをマイナーチェンジとは言わないだろう。
M1 Pro、M1 Max搭載機のオーナーに買い替えを勧めることはしないが、メディアクリエイターがこれらの搭載機を購入するというのであれば、たとえ多少のディスカウントがあったとしてもM2ファミリー搭載機を選ぶべきだろう。また今回の結果は、将来登場するだろうM2ファミリー搭載の他モデル、およびM2 Ultraの性能を期待させるものでもある。
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