メインシャーシの構造・素材を大きく変えた
「iPhone 5以降、iPhone本体のシャーシ(筐体)には継ぎ目のない『Bucket Style Design』(=バケツ構造 バスタブ構造と表現した方がイメージしやすいだろうか)を採用してきました。さらにiPhone 8以降からワイヤレス充電が導入されたことで、背面にガラスパネルを追加しています。背面ガラスはアルミニウムのシャーシに固定されています」(Dinh氏)
iPhone 8シリーズ以来、2021年発売のiPhone 13にも踏襲されてきたという内部設計を写真で確認してみよう。
左側は筐体から取り外したディスプレイモジュールだ。右にあるバケツ構造のシャーシ側にはメインロジックボードからデュアルカメラシステム、バッテリーパックなど主要なコンポーネント一式が組み込まれている。
「これらのコンポーネントはすべてディスプレイ側から組み付ける必要があるため、内部のコンポーネントを修理する際には、いったんディスプレイモジュールを取り外す必要があります。背面に近く配置されているコンポーネントも含むすべてです」(Dinh氏)
ではiPhone 14シリーズの内部設計はどのように変わったのか。Dinh氏はさらに説明を続ける。
「iPhone 14シリーズではシャーシの耐久性能を維持しながら、アルミニウム製のメインシャーシから背面ガラスモジュールを完全に分離しています」(Dinh氏)
Dinh氏が「Central Structural Frame」と呼ぶ、iPhone 14のための新しいメインシャーシには、軽く剛性にも優れる7000系アルミニウム合金の押し出し材が使われている。放熱性能も高い素材を採用することで、ワークロードの高い処理を実行した際にも効率よく熱を逃がしパフォーマンスの低下を回避できるという。
内部設計についてはiPhoneとして初めて4面積層メインロジックボードを採用したことで、iPhone 14シリーズでは基幹コンポーネントを限りある内部スペースの中により効率よく格納できたという。
そしてバックパネルのモジュールを分離構造としたことで、前面と背面の両側からメイン基板にアクセスできるようになり、Reparabilityが格段に高くなる。Central Structural Frameの側についてもまた、前面・背面から主要なコンポーネントとコネクタにアクセスできるデザインとしている。
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