鮮やかな色彩と高速応答を備える、ROG Swift OLED PG42UQをレビュー
究極の没入感でゲームが変わる、22万円の41.5型有機ELディスプレーがスゴイ
HDMI 2.1を2基搭載!USB HUBも使えて便利
続いて、実際の使い心地をチェックしてみよう。まずはインターフェースについて。PG42UQのインターフェース類は、裏面左側のカバーの裏に配置されている。映像入力ポートは、HDMIが4基にDisplayPortが1基という構成だ。HDMIが多い印象だが、そのうち2基がHDMI 2.1に対応しているのがポイントとなる。
PG42UQは4K解像度のディスプレーだが、4K映像をHDMI 2.0で入力する場合、リフレッシュレートは最大60Hzまでの対応になる。しかし、HDMI 2.1ならばPG42UQのスペックをフルに活用できる。
また、PlayStation 5やXbox One Xといった最新のコンシューマーゲーム機は、4K/120Hzの映像を出力するためにHDMI 2.1が必要になる。ゲーミングディスプレーでもHDMI 2.1は1基しか搭載していないという場合が多いが、本機は2基備えていることで、PCとゲーム機を同時に繋いで使うときに切り替えられる。
さらに言えば、PG42UQはピクチャー・イン・ピクチャーやピクチャー・バイ・ピクチャー機能に対応し、2系統の入力を同時に画面出力することも可能だ。大きな画面を活かし、左右に分割してPCとゲーム機を同時に使うというのもアリ。
そのほか、PG42UQは最近のディスプレーで増えているUSBハブ機能を搭載している。USB 3.2 Gen 1 Type-A端子を、PCの上面に1基、映像入力端子の横に2基、下面に1基備えている。また興味深いのが、上部のUSB端子の近くにカメラマウント用のネジを搭載しているところだ。これらを使って、ディスプレーの上にウェブカメラを設置してUSBにも接続できる。
テレワークでのオンライン会議や、ゲーム配信などでカメラを使用する人が増えていることを意識した気配りだろう。
インターフェースの次はOSDなどのメニューだ。PG42UQは中央下部にあるROGマークの下にOSD操作用スティックを備えているが、付属のリモコンを使って操作するのもオススメだ。
OSDのメニューは、前述したリフレッシュレートのオーバークロック設定、明るさや色温度、ブルーライトフィルターの設定などといったよくある機能から、ゲーム向けに暗部を見やすくする「Shadow Boost」機能、ゲームジャンルごとにプリセットされた設定を呼び出す「GameVisual」などのメニューを揃える。
面白いのが「GamePlus」メニューで、ここにはゲーム向けの特殊なインターフェースを表示する機能が揃っている。
ゲーム中のフレームレートを表示する「FPS Counter」や、画面中央にゲームに依存しない照準点を表示する「Crosshair」、時間を計るタイマーやストップウォッチの表示も可能だ。なかでも特殊なのが「Sniper」機能。これは、画面中央をズームして表示するというものだ。つまり、画面の一部分が常時スコープをのぞいたような状態になるということ。
対戦ゲームの場合、Sniper機能やCrosshair機能は“ハードウェアチート”とみなされてしまう可能性もあるが、一人用のゲームであれば、こうした機能があるというのを知っておいても損はしないだろう。
また、もう1つ嬉しいポイントとして、内蔵スピーカーの存在が挙げられる。PG42UQは10Wスピーカー2基に、15Wのウーファーも搭載している。音には十分な迫力があり、下手なUSBスピーカーなどを使うよりも、そのままPG42UQを使ったほうがいいという場合もありそうだ。
究極のエンタメ体験を求める
選ばれし者のためのディスプレー
ディスプレーにおいて、ゲーム体験を分ける部分というと、画面サイズ・解像度・リフレッシュレート・応答速度・画面の色味などが大きなところだろう。こうした指標において、PG42UQはかなり特徴的な製品だ。
視界全体に広がる大きさ、4K解像度、OLEDによる鮮やかな映像などは、他社のゲーミングディスプレーではできない体験を生み出してくれる。
一方で、リフレッシュレートは最大138Hzと、最近のディスプレーにしてはそれほど高くない。また、ゲームによっては、必ずしも画面サイズが大きければいいというわけではない。ゲームではUIやHUDに重要な情報が表示されるが、画面が大きいほどそれら表示の物理的な距離が離れてしまう。すると、情報を確認するために目を動かす範囲も広くなる。
一瞬の判断が勝敗を分けるようなゲームでは、こうした確認の遅れが不利な状況を生み出すこともあり得る。そういった点では、FPSなどのゲームではPG42UQの良さが生きない場面もあるかもしれない。
しかし一方で、RPGなどの没入感を重視したいゲームとは抜群に相性がいい。視界いっぱいに広がる鮮やかなゲームの世界を堪能できるのは本機ならでは。ゲームだけでなく、映画を観るのにもいいだろう。
実際、筆者はディスプレーの検証にゲームをプレイしていたところ、時間も忘れて外がすっかり暗くなるまで没入してしまった。デスク周りに十分なスペースが必要とは言え、これは一見の価値あり。22万円を超える価格の壁はあるものの、エンタメ体験を一新してくれる力を秘めた製品なのは間違いない。
©Bandai Namco Entertainment Inc. / ©2023 FromSoftware, Inc.
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