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災害対応、農業、医療、コミュニケーションの4分野:

グーグルがAIで解決しようとしている7つの社会問題

2023年01月31日 09時00分更新

 グーグルは1月17日、「7 ways Google is using AI to help solve society's challenges(グーグルがAIで社会の課題を解決する7つの方法)」とするブログ記事を公開。AIをどんな課題解決に活用しているか、実例とともに紹介した。

AIを使った7つの取り組み

 グーグルが取り上げたのは以下の7つだ。

  • 災害対応
    • 洪水の予測と警報
    • 山火事のリアルタイム観測
    • 衛星画像を使った人口動態チェックや都市計画等への手助け
  • 農業
    • 作物の害虫からの防御
  • 医療
    • 胎児の超音波診断の手助け
    • 病気の原因となる遺伝子の変異の特定
  • コミュニケーション
    • Project Relateによる会話等の補助

洪水警報や山火事のリアルタイム監視

 日本では洪水の危険が迫るとTVやスマートフォンや防災無線で通知を受けることができるが、ここまでの仕組みが備わっていない国も世界には多くある。

 その解決のために、グーグルが数十ヵ国で提供しているのが洪水アラート機能だ。

 洪水の可能性が高まった地域では、Google検索やGoogleマップの画面上に通知が出るほか、浸水マップを確認することもできる。

 他にも衛星画像をAIで解析して山火事の範囲を特定したり、建物情報を取得して防災や都市計画等に活用できるサービスも開発され、前者はアメリカ・カナダ・メキシコ・オーストラリアで、後者はアフリカや東南アジア各国で活用されているという。

害虫対策へのAI導入で農薬散布量削減も

 農業では害虫対策にAIを活用している。

 アフリカでは作物を食い荒らすバッタの発生をAIで検出し、駆除活動に役立てる仕組みが導入された。

 またインドではAIを使って害虫の侵入を特定するアプリを開発し、農薬散布量を20%削減することにも成功しているという。

 これらのサービスはグーグル単独ではなく、InstaDeepや国連食糧農業機関・Wadhwani AIとの協力により実現したものだ。

超音波検査の診断補助や遺伝子変異の特定にAIを活用

 出産前の胎児の状態確認などに使われる超音波検査は、正しい診断のために多くの訓練が必要で、診断経験の少ない医師は事実上使うことができなかった。

 この課題を解決するため、グーグルは医療機関と協力してAIによる診断システムを開発。医師が簡単な訓練を受けるだけで診断できるようにすることで、途上国など医療リソースの少ない地域で妊産婦への超音波診断が可能となった。

 他にも、乳がんや肺動脈性肺高血圧症のリスクなどの研究現場で、同社のDeepConsensusが病気の原因となる遺伝子変異の特定に使用されているという。

Project Relateでコミュニケーションの壁を壊す

 Project Relateはグーグルの音声認識AI技術を活かし、標準的な発音が難しい人でもGoogleアシスタントを使えるよう開発されたアプリだ。

 話した内容の文字起こしや合成音声を使った読み上げ機能にも対応しており、会話がスムーズになるよう手助けしてくれる。

 2023年1月30日時点ではベータ版でAndroidアプリのみ提供されている。

 

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