テレビメーカーが作ったスマートグラス
それが「NXTWEAR S」
テレビやスマートフォンなどグローバル市場で人気の高い総合家電製品メーカーのTCLから、手軽なサングラスサイズながら、130インチ相当の大画面で映像を楽しめるスマートグラス「NXTWEAR S」が登場した。発売は1月31日で現在予約を受付中。実売価格は5万9800円となっている。
TCLという会社名はASCII.jp読者であればスマホの「ALCATEL」ブランドや「BlackBerry」で聞いたことがあるだろう。元々1981年に磁気テープの製造・販売からスタートし、1990年代にはカラーテレビに参入、そして1999年に携帯電話事業も手がけるようになった。そして、2004年には世界最大のテレビ製造業者に踊り出る。2014年にメキシコの三洋電機の液晶テレビ工場を買収し、2015年には日本法人を設立し日本へ本格参入。現在、テレビのシェアは日本国内で6位だが、上位のソニーやパナソニックに迫る勢いを見せている。そんなテレビの王様が開発したのがスマートグラスのNXTWEAR Sである。
NXTWEAR Sは単体で使用するのではなく、スマートフォンやPC、ゲーム機など外部機器と接続して、その映像を映し出すシステム。単純に各機器の映像をミラーリング表示する「スクリーン投影モード」のほか、スマートフォンとの接続時には独自UIで、ゲームや3Dコンテンツなども楽しめる「XRモード」も用意されている。
磁石で本体とケーブルを接続するので
ケーブルに引っ張られて本体が外れることもない
NXTWEAR Sと外部機器との接続は付属のケーブルを使用する。NXTWEAR S側は独自形状になっており、磁力で貼り付ける。そのため、装着中にケーブルが引っかかってしまった場合でも、コネクターが外れてくれるので、NXTWEAR Sが引っ張られて飛んでいってしまうといった心配がない。
スマートフォンへの接続は、USB Type-Cとなっている。そのためDP(DisplayPort)出力に対応したAndroidスマートフォンなら、直接ケーブルを挿せばOK。DP出力に対応してないスマートフォンや、端子がLightningのiPhoneは、別売のアダプター「MiraScreen Portable Adapter」(実売価格1万5400円)が必要となる。また「XRモード」はDP出力可能のみ対応しており、専用アプリは現在Android版のみが提供されている。
DP出力対応のスマートフォンと接続すると、「スクリーン投影モード」でそのスマートフォンの画面が表示される。YouTubeなど動画配信サービスなどをアプリで横位置フルスクリーンにすれば、眼前に大画面で表示される。
ディスプレーはソニー製有機EL
両側のツルにはスピーカーが内蔵
ディスプレーはソニー製のMicro OLEDを採用しており、解像度は2Dで1920×1080ドット、3Dでは3840×1080ドット。画面サイズは4mの距離に130インチ相当となっている。sRGBカバー率108%と色再現性も高く、映像コンテンツを十分に満足できる品質で楽しめる。
音声は左右のツルの部分に内蔵されたスピーカーから出力される。大型チャンバーのため、十分な音量と音質で、特に低音は迫力がある。こういったタイプのスピーカーの場合、音漏れが気になるところだが、独自の「音漏れ抑制モード」で音漏れを低減している。
どのくらい音漏れするのかを実測チェック!
実際に40cmほど離れた位置でチェックしてみたところ、音量を最大にセットすると音漏れは気になるが、音量を50%ほどにした状態では、よっぽど注意しなければ聞こえてこない程度。30%程度の音量にすれば、音漏れはほぼ聞こえてこない。実測でも30%程度の音量では、再生停止中の部屋の音量と変わらない程度だった。
音量30%程度でも大型チャンバーの効果もあり、音声はしっかりと聞こえる。コンテンツのもともとの音量設定にもよるが、50cmほど回りにスペースがあれば、音漏れは気にしなくてもいいだろう。とはいえ音漏れが皆無ではないので、音漏れが気になる場合は別途Bluetoothのワイヤレスイヤホンなどを併用して、環境に合わせて使い分ければOKだ。
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