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JASRACがメタバース上の有料ライブで「使用料」ガイドラインや手続き方法を公表

2023年01月17日 12時15分更新

 コロナウィルス感染症拡大による行動制限の影響もあり、世界中でメタバース上の音楽ライブイベントが増えている。

 米津玄師や星野源がフォートナイト上でライブを行なったことで日本でも認知が高まり、様々なプラットフォームでバーチャル音楽フェスも頻繁に行なわれている。

 それに伴い、個人が主催するバーチャルライブやバーチャルDJイベントなども増えている。YouTubeのようにJASRACと包括契約を結んでいるプラットフォームなら営利目的ではない楽曲使用は問題なくできるが、メタバースでの楽曲使用料などはどうなっているのだろうか?

JASRACの動画配信規定に基づくライセンス料が必要

 JASRAC(日本音楽著作権協会)は2022年12月16日に「メタバースでの音楽利用について」というガイドラインを発表しており、メタバース内で使用する際にも「インターネット上で音楽を利用する場合と同様のライセンス」が必要と明言している。

 具体的には、メタバース上でバーチャルライブをする場合はJASRACの「動画配信規定」に基づきライセンスされる。

 例として「有料のバーチャルライブをストリーム形式で配信する場合」の使用料は「月間の情報料および広告料等収入の2.1%(最低使用料5000円)」となっている。

 収録映像の配信やアーカイブ配信内で外国曲を利用している場合、別途「ビデオグラム録音」のライセンスも必要となる。

メタバース上の店舗でBGMを流した際にも発生

 メタバース上の店舗などでJASRAC管理曲をBGMとして利用する場合も、実店舗と同様、JASRACの「音楽配信規定」に基づきライセンスされる。

 例として「広告やアバターアイテム課金などによる収入があるサービス内でBGMをストリーム形式で配信する場合」の使用料は「月間の情報料および広告料等収入の3.5%(最低使用料5000円)」となっている。

 なお、上記の2例はいずれも営利目的(対象がプラットフォーム運営者)であり、個人が非営利目的で使用する場合は通常のストリーミング音楽・動画配信の場合と同等の価格となる。

 また、JASRACが著作権を管理していない楽曲については、それぞれの権利者に直接問い合わせということになる。楽曲の権利確認には作品データベース検索サービス「J-WID」が便利だ。

手続きの手順は?

 実際にメタバースでJASRAC管理曲を使用したい場合、JASRACのオンラインライセンス受付窓口「J-TAKT」から手続きをすることになる。JASRACのQ&Aページによれば、手続完了までに2週間程度の時間がかかるとのことなので、利用したい場合は早めに手続を完了させておこう。

 将来的にはメタバースプラットフォームもYoutubeやニコニコ動画のようにJASRACと包括契約を結んでくれれば手続き不要になるのだが、まだしばらく時間がかかりそうだ。

 JASRACでは他にも、メタバース内でのゲーム、ミュージックビデオ配信、カラオケ配信などさまざまな音楽利用についてもライセンスを行なっている。詳しくは担当部門に相談してほしいとしている。

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