確かに見えた6GHz動作!
「Core i9-13900KS」をざっくりと検証する
2023年1月12日23時(日本時間)、インテルは第13世代Coreプロセッサーに新たなフラッグシップモデル「Core i9-13900KS」を追加し、同時にグローバルでの販売を解禁した。
このCPUは昨年9月、インテルが年次イベント「Intel Innovation」の壇上で存在を仄めかしたものである。そこでインテルCEOパット・ゲルシンガー氏は“工場出荷状態で最大6GHz動作を可能にした「数量限定」モデルを「2023年の早い段階で」投入”と予告した。キッチリとスケジュールは守ったわけだ。
今回秋葉原でも深夜販売が予定されているが、本邦での予想価格は税込み12万3800円と、Core i9-13900Kよりも2万円近く高い価格設定となっている。だが先代のCore i9-12900KSと違い、Core i9-13900KSは本当に“数量限定モデル”になってしまったので、欲しい人にはその価格差を上回るプレミアム感があるのだろう。
今回筆者は幸運にもCore i9-13900KSの実機に触れるチャンスを得られたが、かなり無理をお願いしてようやく実現した。あらかじめお断りしておくと、今回のレビューはCore i9-13900KSの“表層的なレビュー”どまりである。
Core i9-12900KSがそうだったように、今回のCore i9-13900KSも暴れ馬で、筆者の持つAIO水冷では定格運用すら厳しい(V/Fカーブ調整は別として)。さらに1月3日から立て続けに大物ハードウェアが3連発で登場した後で、時間的にも厳しい。Raptor Lake-S世代のスペシャルエディションがどの程度のポテンシャルを持っているか、ざっくりと検証してみた、的なスタンスでお届けしたい。
冷却さえしっかりしていれば6GHz動作
Core i9-13900KSは前述の通り、デフォルトで6GHz動作が可能な選別個体ではあるが、6GHz動作には条件がある。下のスペック表からわかる通り、6GHz動作はTVB(Thermal Velocity Boost)、すなわち冷却に十分な余裕がある時に発動するブーストに紐付いている。
Core i9-13900KSの冷却が間に合わない状況では、Pコアの最大ブーストクロックはITBM3.0(Intel Turbo Boost Max Technology 3.0)の5.8GHz、それでも足りなければTB(Turbo Boost)2.0の5.4GHz動作へと徐々に下がってゆく。全コア6GHz動作には自己責任によるOC(オーバークロック)が必要だ。
高クロック化に伴う発熱量増大は半導体に常につきまとう問題だが、Core i9-13900KSではMTP(Maximum Turbo Power)はCore i9-13900Kと同じ253Wのまま、PBP(Processor Base Power)は25W高い150W設定となっている。この点はCore i9-12900Kと12900KSの関係に似ている。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります