週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

独特なツヤ感が魅力! マツダ独自の塗装技術「匠塗」の秘密を聞く

2023年01月08日 15時00分更新

赤だけでなく白も追加された
「ロジウムホワイトプレミアムメタリック」

 匠塗の第3弾(ソウルレッドクリスタルメタリックはソウルレッドプレミアムメタリックに置き換わったため、第3弾と数えない)は、2022年に登場したロジウムホワイトプレミアムメタリック。根強い人気の白です。デザイナーの岡本さんは、白さと金属的な輝きの両立を目指したのだそう。いわゆるギラっとした白さではなく、滑らかで緻密な質感と、点や線ではなく面で輝くイメージを求めたのだそうです。

 技術陣が考えたのは、アルミフレークの反射を最大限に使いながらも、入射光がその隙間を通って1層目の白顔料に届くようにすること。具体的には1層目の塗膜の平滑化をマシーングレーより進化させた上で、2層目のアルミフレークを平滑に、かつ均一の隙間で並ぶようにしたのだそう。アルミフレークを均一に分散させるために、その制御技術を開発したのだそうですが、開発中は塗装サンプルを、顕微鏡を使ってアルミフレークの数を数えたとのことです。

 ここまででメタリック層をどこに置くか、ということで「レッド系」と「マシーングレー/ロジウムホワイト系」という2つの匠塗に分けられることがおわかりいただけるかと思います。そして、今回登場したのが匠塗誕生10周年を祝うアーティザンレッドプレミアムメタリックです。アーティザンレッドプレミアムメタリックは「熟練した職人によって創り上げられた赤」という意味で、デザインイメージは「最高峰の職人技で生み出される熟成されたワインのような赤」なのだそうです。

 もともとはラージ商品群向けに開発したカラーなのですが、日本国内ではお祝いの意味も込めてMAZDA6 XD 20th Anniversary Editionに採用しました。

 アーティザンレッドプレミアムメタリックは、基本的にソウルレッドクリスタルメタリックの応用になります。ですが従来の匠塗で使った技術を総動員しているのだそう。具体的にはシェードがより深く沈むことを重視し、光吸収フレークに加えてマシーングレーの1層目に使った漆黒顔料も入れ、2層目のアルミフレークはロジウムホワイトの応用だとか。こうして、従来のワインレッドでは再現できなかった表現ができるようになったのです。

 匠塗は、こうして10年で3色をラインアップ。今後は赤、グレー、ホワイトの3色を基本にしていくようです。

 さて、これだけ凝った匠塗。さぞかし塗膜が厚いのかと思いきや、3層合わせて100ミクロン(0.1mm)というから驚きです。ちなみにプライマーとかサーフェーサーといったものは、使っていないようです。それは塗装を乾かす際の処理で二酸化炭素の発生を抑えるためなのだとか。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

この連載の記事