一方、半数が“アカウントの使い分けが面倒”と回答
今やTwitterとインスタは10代から60代まで複垢所持が多数派に!?
複垢所持は大人世代でも当たり前に
若者の間では、TwitterやInstagramなどの複数アカウント(複垢)を所持することが一般的となりつつある。では、大人をはじめ他の年代ではどうなっているのだろうか。アップデイトの「年代別SNSアカウント所持数についての調査」(2022年12月)を見ていこう。
年代ごとに1つのSNS内でアカウントを複数持っているかについて聞いたところ、どの年代でも6割以上の人が「1つのSNS内で複数のアカウントを持っている」ことが判明。10代、20代はもちろん、30代~60代とすべての年代で複垢所持が多数派だ。
20代の複垢所持率が最も高く、96%が複垢を所持している。50代、60代は調査対象が少ないのでこれだけで断じることは難しいが、少なくとも30代、40代の大人世代でも複垢所持は当たり前となっていると言えそうだ。
オタ活用、見る専門用のアカウントが多い
複垢を持っているSNSについて聞いたところ、最多はTwitter、次いでInstagramとなっている。
Twitterで所持しているアカウントの種類は、最多が「プライベート用」のアカウント、2番目が「オタ活用」のアカウントという結果に。そのほか、「見る専門用」に所持している人も多い。Twitterは地震などの災害用や情報収集用にアカウントを所持する人も多く、それが見る専門用となっていると考えられる。
Instagramは、最多は「プライベート用」のアカウント、次いで「見る専門用」「情報収集用」という結果となった。
10代は17%がInstagramで「愚痴用」アカウントを持っていると回答しており、これはほかの年代では2%程度となる。10代ではInstagramがTwitter的な使い方がされているというわけだ。実際、若者の多くはコミュニケーション用にInstagramを活用しており、特にストーリーズに近況や愚痴などを投稿する使い方が多く見られる。
複垢を持つ理由は、最多は「趣味に関する情報収集をしたいため」であり、次いで「周りの友人に趣味のことについて知られたくなかったため」など。複垢を持つデメリットで最も多かったのは「アカウントを使い分けるのが面倒くさくなった」で、51%もの割合を占める結果となった。
SNSでの情報収集の便利さは広く知られるようになっており、投稿はしないで見る専門用にアカウントを持つとか、人間関係やテーマ別にアカウントを使い分けるという使い方が一般的となってきている。
一方でこのようなSNSでは炎上や誹謗中傷などのトラブルも知られており、複垢はトラブルを避けながら利便性を得られる賢い使い方の例と言えそうだ。SNSでのトラブルに困っている方は、このような使い方も参考にしてみてはいかがだろうか。
著者紹介:高橋暁子
ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki
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