セッション「キーボード界の今とこれから」
次のトークセッションは「キーボード界の今とこれから」というテーマで行われた。登壇者は2017年から自作キーボードショップ「TALPKEYBOARD」を経営している池田洋介さん、仕事はプログラマーだが、趣味の自作キーボードについてYoutube「ほぼ週刊キーボードニュース」という番組を発信しているびあっこさん、2年前、びあっこさんと共にマツコの知らない世界でキーボードを紹介したぺかそさんの3人。司会は、HHKBミートアップのモデレーターとしておなじみ、ほげ技研の小山哲志さん。
最初は、今年のキーボードライフはどうだったか?という質問から。
「キーボードパーツを全般に販売してるので、円安という社会情勢でなかなか販売したいものが販売できなかったというジレンマがありました。あとは、自作キーボードの形状がすごく広がったな、と思ってます」(池田さん)
「最近コロナの間にリリースされたキーボードを買ったのですが、それがポツポツと届いてきたので、組み立てて遊んでます。新しいキースイッチといった変化がいろいろあったのを試してた年でしたね」(びあっこさん)
「今年は実験をする年だという印象が強いです。この1年は他の人の作品を見て、すごく関心したり、得られるものが多かったです。あとは、新しいキースイッチなどが結構出てきていて、勢いが衰えるどころか、進んでるなと感じています」(ぺかそさん)
続いて、これから、どんなキーボードが欲しいかという質問。
「OSの操作するのにマウスは必要なので、マウスポインタ側のデバイスというか、入力装置が発展してほしいですね。個人的な意見ですが、キーボードは入力装置にて徹してほしいです。あまり7色に光るかとか、画面が付いていたりするのは、ノイズだと思ってます。それとは別にやっぱり見た目も楽しみたいので、見た目の良いキーキャップも買ったりしてます」(ぺかそさん)
「私は餅は餅屋派で、キーボードはキーボード、トラックボールなりマウスなりはそれぞれに適した高度な設計があると思います。なんだかんだ言って、分かれてた方が結局いいんじゃないのと思っています。(マウスとキーボードを)一緒にすることで、何かが失われちゃうと、ちょっと本末転倒だなと。ミニ四駆とかゲームと一緒で、キーボードのスイッチやキャップ、レイアウト、ソフトウェアを変えて、その変化そのものを楽しんでるところがあります。その一連の体験がキーボードに求めているところなのかなと考えています」(びあっこさん)
「今、自分の中でのキーボードは3パターンに絞られてます。仕事で使うものと、持ち運び、あとはお家でまったり使うものです。1つ目の仕事で使うものは、いかに素早くスムーズに打てるか。モバイルではマウスを持ち運ぶのが嫌なので、やはりひとつにまとまった形がないかな、なかったら作っちゃおうという感じです。家では白もそうですが、木の素材を使って、インテリアとして見て愛でるところで楽しめるものを考えています」(池田さん)
中継先のパブリックビューイングも大盛り上がり
パブリックビューイングの会場である原価BARからは、セッションの合間に2度、中継が繋がれた。まずは、プログラマーであり、UBER EATSの配達員でもある清水亮さん。
「技研ベースに新しい会社を作って、オタクやエンジニア、もしくはただのガジェット好きとかが集まってます。面白いのは、コワーキングスペースなんだけど、座ってる人が全員CTOだったり、いろんな出会いがある場所なんです。毎週金曜日と土曜日は技研バーとしてバー営業もやっています。そこにもHHKBが全種類あって布教活動に努めております」(清水さん)
HHKBエバンジェリストの魚住惇さん。愛知県公立高校情報科の教員をしており、HHKBが大好き。
「最近、愛知県の高校でギガスクール端末でタブレット端末の配備が始まってるんですけど、キーボードがどれもやばい。へにゃへにゃするので、やっぱりHHKBを広めるべきだな、と思うわけです。僕はHHKBとともに人生を歩んできました。新婚旅行にもHHKB、子供が生まれた時にもHHKB、来年3月に第2子が生まれる予定ですが、その時もまた(HHKBと写真を)撮りたい思います。人生と共にHHKB、それを大事にします」(魚住さん)
パブリックビューイング会場では、オリジナルのHHKBEERも振舞われ、久しぶりというか滅多にないエバンジェリスト同志の交流で大盛り上がり。カスタマイズしているHHKBを持ち込んでいる人もいた。
PFUの親会社がリコーになるという激動の1年だったが、ミートアップの様子を見ていると、以前と同じ熱量だったので、今後のさらなる躍進も期待できそうだ。
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