ヴァリューズ「Webサイト&アプリ市場のユーザー数ランキング2022」からわかること
シニアはInstagram、若者はTVer! 2022年、どんなアプリが人気だった?
「PayPay」などキャッシュレス決済アプリが好調
今年ももうすぐ終わりだが、2022年はどのようなWebサイトやアプリが人気だったのだろうか。ヴァリューズの「Webサイト&アプリ市場のユーザー数ランキング2022」(2022年12月)を見てみよう。
Webサイトの1位は「Google」、2位に「Amazon.co.jp」、3位は「楽天市場」であり、トップ3は2021年と変化はない。4位は「Twitter」となっており、2021年の「Yahoo!ニュース」と順位が入れ替わっていた。Twitterは仕事中などにブラウザ経由で見られることも多いのだ。
アプリでは1位が「LINE」、2位「PayPay」、3位「Instagram」であり、2021年の1位から順に「LINE」「Twitter」「Amazon ショッピング」から変化が起きている。前年比109.9%と「Instagram」が大きく成長し、「Twitter」と「Instagram」の利用者数が逆転したのだ。
キャッシュレス決済アプリは2位の「PayPay」が前年比約111.8%と好調なほか、14位に「d払い」(前年比109.6%)、22位に「楽天ペイ」(前年比119.6%)、28位に「au PAY」(前年比108.0%)などが名を連ね、キャッシュレス決済の普及が進んだことがわかる。
シニアはInstagram、若者はTVerの利用が伸びている
「Twitter」と「Instagram」の利用者数を20代・40代・60代の3世代で比較すると、20代は「Twitter」派が若干多い一方、40代・60代は「Instagram」派が勝る結果に。
特に60代は「Instagram」の前年比が137.1%と伸びが大きく、シニアが利用する代表的なSNSとなっている。オトナ世代に人気の高いFacebookも上位にランクインしているものの、それ以上にTwitterやInstagramなどの利用率、特にInstagramが伸びているのだ。
なお、20代は「Twitter」と「Instagram」がそれぞれ利用者数2位、3位を占めており、若年層はSNSの利用率が高いこともわかる。
トップ20アプリ中、20代で最も前年比が高いのが19位の「TVer」。TVerは、2021年はランク外だったものだ。スマホで好きな時間に好きな番組を見られるというTVerのサービスに、20代からの注目が集まっていることがわかる。あくまで好きなときに自由に見たいニーズが強いというわけだ。
「テレビはスマホで見られればいい。わざわざ録画とかしないし、場所が縛られるのも面倒くさい。TVerなら空き時間とかにも見られるし、SNSで話題になっている番組を追っかけで見て話題についていけるのもいい」と若者たちは言う。W杯もAbemaで見た若者は多く、番組の見方が変わってきていることを感じる。
2023年は、どのようなWebサイトやアプリが伸びるのだろうか。みなさんも自分の利用状況から今年を振り返ると意外なことがわかるかもしれない。
著者紹介:高橋暁子
ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki
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