クリエイティブ系アプリでの検証
一通りゲームの検証が終わったところで、クリエイティブ系アプリでの検証もやっておきたい。まずは「Blender Benchmark」で検証する。バージョンは“3.4.0”、レンダリングデバイスはGPUを指定する。
このテストではRTX 4080がどのシーンでもライバルを圧倒。ゲームにおけるレイトレーシングでも強いが、3DCGにおいても同じだった。
続いては「Media Encoder 2023」で検証する。「Premiere Pro 2023」で約3分半の4K動画を編集し、それをMedia Encoder 2023でH.264/H.265の4K動画にエンコードする時間を検証する。ここではGPUのハードウェアエンコーダーは使用せず、ソフトウェアエンコーダー(CPU)を使用した。つまりCUDA/OpenCLパフォーマンスを見るための検証となる。ビットレートはVBR 50Mbpsで1パス、フレーム補間は“オプティカルフロー”とした。
RX 6950 XTから見るとRX 7900 XTXは1分近くエンコード時間が短縮。最速はRTX 4080だが、GPU性能が影響しやすい(とこれまでの経験則から考えられていた)H.264でRTX 4080に並んだ。ただH.265で失速している理由については断言できるような材料はない。
最後に「DaVinci Resolve Studio」で試してみる。再生時間約2分の4K動画(ProRes 422 HQ)を編集し、これを8KのMP4に書き出す時間を測定した。まだDaVinci ResolveでのAV1ハードウェアエンコーダーは対応していないため、コーデックは“H.265 ”、フォーマットは“MP4”、ビットレートは80000Kbpsとし、エンコーダーはGPU、つまり“AMD”もしくは“NVIDIA”を指定した。
このテストではRX 7900シリーズがRTX 4080に対し20秒以上早くフィニッシュ。RX 7900 XTXとRX 7900 XTの間に差はないことから、両者にエンコーダーの実力差はないことがわかる。DaVinci Resolveに搭載されているGPU系処理をすべて試したわけではないが、RX 7900 XTX/RX 7900 XTはVRAM搭載量も多いため、DaVinci Resolveユーザーは新Radeonを試す価値はあるのではないだろうか。DaVinci ResolveがAMDのAV1エンコーダーに対応したら、また同様のテストを実施してみたいものだ。
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