KDDIは12月8日、鹿児島県屋久島町にある白谷雲水峡のau通信のエリア化対策を10月に完了したことを発表した。これにより、国内通信事業者で初めて、白谷雲水峡の駐車場から登山道の一部で携帯電話が利用可能となったという。
白谷雲水峡は世界遺産の島「屋久島」の原生林の自然を容易に観賞できる場所として、1974年に屋久島自然休養林に指定された。国内有数の苔スポットとしても有名で、毎年およそ10万人の観光客が訪れている。
これまで同社は、白谷雲水峡のエリア化の要望を継続的に受けていたが、屋久島国立公園内であるため新たな工作物の設置に制限があり対応できずにいた。また、電気や通信回線がないため、携帯電話基地局の設置場所の確保が難航していたという。さらに、地形や樹木などの影響が大きく、十分にエリアを設計することが困難となっていた。
同エリアでは新規工作物の設置に制限があるため、今回同社は、すでに設置済みの鹿児島県の建物に基地局を設置。電気は、発電機や太陽光発電などではなく、白谷雲水峡にある屋久島町の小型水力発電機を利用している。また、通常のおよそ2mのアンテナではなく、30cmの小型アンテナを導入し、景観に配慮した。エリアの設計において、シミュレーションに加え実際に機材を設置して電波実験を実施した。
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