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ソニー製5万円モーションキャプチャー「mocopi」とはそもそも何か? VTuberやメタバースの注目機器

2022年12月02日 19時55分更新

低価格フルトラで人気の
Shiftall社「HaritoraX 1.1」との違いは?

 最後に、mocopiに興味を持つ層ならShiftall社の下半身モーショントラッカー「HaritoraX 1.1」との違いも気になるところだろう。izm氏開発の同人ハードウェア「Haritora」を、Shiftall社との提携により量産に対応した製品として発売。昨年から今年にかけて、安価にVRChatなどで全身を動かすフルトラを実現できる機器として人気のモデルだ。

 大きな違いは、mocopiがiPhoneやXperiaさえあれば全身のモーションを収録できる点だ。VTuber入門に適しているのはもちろん、すでに活動中のVTuberだが3DアバターやPCのVRに慣れていない人、急に業務でメタバース空間での接客を求められた人でも、使い慣れたスマホで3Dアバターを自在に操作できるなど、活用シーンをより広げることに主眼を置いた機器と言える。

mocopiはVTuberを試してみたい人から、映像クリエイターまで広くカバーする

小型軽量なので、スタジオや屋内でなくてもモーションを取得できる

 だが、VRChatには対応しているものの、現時点では標準でSteamVRでの利用には対応していない。PCでの機器連携や開発環境は揃っているが、PCのVRゲームや他のメタバースアプリで使いたい人にとっては、利用ノウハウの蓄積や各種アプリの対応が進むまで情報収集の手間を計算に入れる必要がある。

 一方のHaritoraX 1.1は、胸と太もも、ふくらはぎのセンサーのみに絞った製品だ。Meta Quest2やPICO4など頭と手のモーションを取得できるVRゴーグル+コントローラーと組み合わせることで、全身の動きをアバターに反映させられる。SteamVRに対応しており、VRChatほか各種メタバースや、フルトラ対応VRゲームで活用できる。PCのVRゲーマーにとっては3万3900円という価格も含めて、mocopi発表後も変わらず魅力的なモーションキャプチャー機器だ。

Shiftall社の「HaritoraX 1.1」は。すでにPCのVR環境を揃えている人にとって、安価にフルトラを実現できる魅力的な下半身モーションキャプチャーだ

方向性が異なる2製品 とは言え、合わせても10万円しない
ガジェット好きなら両方買ってしまうのはアリでは?

 いずれもVRChatに全身フルトラで参加できVTuberにとっても便利な、Bluetoothと加速度センサーを用いた低価格なモーションキャプチャーであることに違いはない。ただし、最初の目的が異なるぶん、気軽な映像制作やXR開発向けのmocopiと、すでにPCでVRに親しんでいる人向けのHaritoraX 1.1はかなり方向性が異なる製品と言える。

 なお、mocopiは発売までに情報や環境が充実してくることで、評価が変わる部分があるかもしれないので、適宜情報を集めた方がいいだろう。とは言え、2製品合わせても10万円しないので、ガジェット好きなら両方購入してしまうのもアリだ。数年前までは、安価な加速度センサーのモーションキャプチャーと言っても数十万円はしていただけに、これだけの製品を5万円以下で購入できるのは驚きだ。

 なお、今後の展開に関してはmocopi発売後にロードマップを示していきたいとのこと。ソニーやmocopiの立ち位置からすると、VTuberやメタバース以外にも先端スタジオ向けのバーチャルプロダクションスタジオ技術の一般化といった切り口もあるだろう。mocopi自体や、今後のソニーのモーション事業がどのように展開するのか、今後の動きが楽しみだ。

記事掲載当初、価格について、一部表現に間違いがありました。お詫びして修正いたします。(12/07 16:00)


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