11月25日、新宿住友ビル三角広場において「西新宿がちょっと未来になる3日間!」をテーマとした「スマートシティフェスタ」がスタートした。自動運転やXRなど体験型コンテンツの多い展示の様子をまずはレポートしよう。
宮坂副知事がスマートシティを熱く語る 自動運転も体験可能
スマートシティフェスタは、東京都がスマートシティの先行実施エリアである西新宿のさまざまな取り組みを都民に体験してもらおうというイベント。特設ステージでのさまざまな催しのほか、西新宿スマートシティ協議会に参加する企業や組織のさまざまな展示が見られる。
イベントの冒頭のキーノートは宮坂学東京都副知事が登壇。一般社団法人スマートシティ・インスティテュート専務理事である南雲岳彦氏、新宿副都心エリア環境改善委員会 技術担当理事の小林洋平氏らとともに、西新宿の魅力と課題、スマートシティに向かう背景、そして具体的な西新宿のスマートシティの取り組みなどをわかりやすく解説した。キーノートの詳細なレポートは別途でお届けする。
キーノートでも取り上げられたスマートシティフェスタの目玉企画は、やはり自動運転モビリティ試乗会だ。主催している新宿副都心エリア環境改善委員会は、2020年から自動運転の取り組みを始めており、インフラ協調や5G活用の実証実験を着々と進めてきた。3年目となる今年度は「西新宿エリアの魅力を高める新たなモビリティ」をテーマとして早期実装を目指している。25日~27日は関係者ではなく、一般試乗が可能なので、興味ある人はぜひ自動運転で未来を感じてもらいたい。
スマートシティの取り組みはますますアップデート
「西新宿の実装を目指すサービス」の展示では、西新宿スマートシティ協議会が培ってきたコンテンツやサービスがますますパワーアップされている。特に注目いただきたいのが、西新宿エリアの3D都市モデルを活用した大成建設の「シン・デジタルツイン」プロジェクトだ。
同社は長らく西新宿エリアの新しいまちづくり基盤を実現すべく、3D都市データを元にしたデジタルツインのプロジェクトを進めてきた。今回のシン・デジタルツインプロジェクトではデータの高精度化をより推進。一部の地下空間や建物内部で高精度なレーザースキャンを実施し、5Gでデータをアップロードしている。
この3D都市データは、ゲームエンジンを組み合わせられることでリアリティの高い体験型コンテンツとなっており、スマートシティフェスタおよび都民広場のパビリオンで楽しむことができる。具体的には、西新宿の高層ビルを抜ける空中遊覧を楽しんだり、走る・飛ぶ・登るといったいわゆるバルクールを体験することができる。画面も大きく、西新宿の3Dデータがとにかく精細なので、臨場感がすごかった。
また、4000万以上のダウンロードを誇る乗換案内アプリを提供するジョルダンは、西新宿スマートシティモードを強化。ルート検索と地域情報を連携させ、ユーザーと西新宿の目的地を自動的につなぐという。また、ジョルテとの地元イベントのカレンダー連携やavatarinが展開する遠隔操作ロボット「newme」の連携も披露。最終的には同社のMaaSプラットフォームと連携し、移動や配送の課題を解決していくという。
さらに川崎重工業、ティアフォー、KDDI、損害保険ジャパン、menu、武田薬品工業の6社は、ロボットを用いた自動配送サービスについて紹介していた。川崎重工は産業ロボット大手だが、今回はティアフォーとの連携でラストワンマイルの配送を担う自走運転型ロボットを開発した。menuとは飲食の配送、武田薬品工業とは医薬品の配送というユースケースで実証実験する予定だ。
みんなで作り上げるスマートシティのヒントに
会場では、都民の日常に便利さと楽しさを提供する企業や団体による「5G・先端技術を活用したエンタメサービス」や、暮らし/仕事環境を良くする技術提供を目指す企業/団体による「未来を先取り体験するスタートアップ企業サービス」も展示された。特に3キャリアそろい踏みの5Gコンテンツは迫力満点。写真でご紹介していこう。
このように新宿住友ビル三角広場の会場はまさに未来を感じさせるさまざまなテクノロジーの利用例が満載になっていた。B2Bの観点で興味深い展示はもちろん、小さい子が楽しめるコンテンツも多く、スマートシティと掲げながら、老若男女楽しめるイベントになっている。「みんなで作り上げていく」という宮坂副知事が目指すスマートシティに向け、未来の自分たちのまちをイメージするきっかけになるはずだ。イベントは27日(日)まで行なわれる。
なお、西新宿のスマートシティプロジェクトでは、意見収集やニュース配信のためのLINE公式アカウントを用意している。興味があるユーザーはぜひ登録してもらいたい。
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