みなさん、こんにちは!
横浜・八景島シーパラダイスの飼育員がお届けする「生きもの日記」。
第18回は、水族館「アクアミュージアム」の陸生動物が暮らすエリア「フォレストリウム」を担当している大坪裕美と六車唯愛がお伝えいたします。
前回の記事はこちら。■ヤドクガエルの仲間たち
※過去の連載記事はこちら:横浜・八景島シーパラダイスの飼育員生きもの日記
2022年7月9日、レッサーパンダの双子の赤ちゃんが誕生しました!
赤ちゃんたちは人工哺育ですくすくと成長しています。
今回は、レッサーパンダが繁殖に至るまでと、赤ちゃんの成長の様子をお伝えいたします。
野生下のレッサーパンダは年々数を減らしており、絶滅が危惧されている動物です。そのため、国内の動物園では繁殖に積極的に取り組んでおり、シーパラにおいても2018年にメスの「コキン」、2019年にオスの「ネイ」が来館してから、毎年繁殖に向けたさまざまな取り組みを行ってきました。
コキンはちょっぴりワガママでマイペース、お姫様気質な女の子。
ネイはコキンの尻に敷かれっぱなしの優しい性格ですが、発情期になるとグイグイ求愛する、やる時はやる男!
そんな2頭はとても相性が良く、2〜4月の発情期には毎年交尾が確認されていました。
しかし、2020年、2021年とコキンは通常よりも小さな赤ちゃんを産み、その赤ちゃんを育てることができませんでした。その原因の一つが妊娠期間にありました。
レッサーパンダの妊娠期間はおよそ100〜140日です。しかし、コキンは過去2回とも妊娠100日未満で出産してしまっていたのです。そこで私たちは、今年こそコキンに小さすぎない子どもを産み、育ててもらうためにはどうしたら良いかを話し合い、3つの準備を行いました。
1つ目は、身体の準備。発情期の4ヶ月前から少しずつ体重を増やし、妊娠や出産という大切な時期を乗り越える体力をつけてもらうことにしました。
2つ目は、産室の整備。これまでも、出産に備えた産室の準備は行ってきましたが、今回はさらにグレードアップ! 産室の壁に遮音加工を施し、静かな部屋にしました。また、コキンが生まれたときと同じ形・大きさの巣箱を準備しました。これでコキンは安心して妊娠期間を過ごせるはずです。
巣箱も気に入ってくれました!
3つ目は、心の準備。出産が近づくと展示はお休みし、産室で安静に過ごしてもらわなければなりません。産室で過ごす時間を少しずつ延ばし、日中も産室で過ごす練習をしました。
リラックスして過ごしてくれました。
3つの準備のおかげで、交尾後から出産にかけて穏やかに過ごし、妊娠期間も100日も超えました。
そして7月9日未明、コキンは双子を出産しました。巣箱に設置したカメラで様子を見守っていましたが、コキンは赤ちゃんにどう接して良いのか分からず、じっと見つめていました。
このままでは、母子の健康状態が危ぶまれるため、人工哺育を行う判断に至りました。
ここからは、赤ちゃんたちの成長を写真でご紹介いたします。
赤ちゃんたちは、毎日ミルクをたくさん飲んで、すくすくと成長しています。
10月16日まではアクアミュージアム1階LABO2の繁殖ラボにて、人工哺育の様子をご覧いただけます。
ぜひシーパラに足を運んでいただき、赤ちゃんたちの今しか見られない姿、成長していく姿を通して、私たち水族館における種の保存への取り組みを知っていただけたら嬉しいです。
横浜・八景島シーパラダイス
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