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『幻塔』はiPhone 13 Pro Maxなら最高画質で60fps動作!フレームレート計測で動作をチェック

2022年09月15日 11時00分更新

iPhone 13 Pro Maxなら『幻塔』も最高画質で60fps動作!
iPhone 6sでは起動困難?

 今回取り上げるゲームは、クロスプラットフォームで登場し話題を集めているLevel InfiniteのオープンワールドRPG「Tower of Fantasy(幻塔)」(以下、幻塔)だ。

 コンソール機やPCでも展開される最新のクロスプラットフォームタイトルということもあり、スマートフォン版も要求される端末スペックは比較的高め。モバイル版とは思えない美麗な映像を体感できることに加え、リアルタイムにアクション操作が要求される作品でもあるので、基本的にはハイエンドスマートフォン向きのタイトルだろう。

 早速「iPhone 13 Pro Max」を使用し、モバイルゲームのフレームレート計測アプリ「GameBench」でゲームの動作を確認してみた。なお、計測時のゲームバージョンは1.0.1。マップ上の一定コースを移動した際の1分間のフレームレートを計測している。

最新タイトルらしく、モバイル版でも美麗な映像が堪能できる「幻塔」

ジャンルはオープンワールドのアクションRPGであり、広大なマップ上で戦闘や探索が可能。画面にあるアイコンをタップすることで様々な攻撃やジャンプ、回避といったアクションが発動する

 「幻塔」ではゲームの画質と解像度、フレームレートなどの負荷に関わる設定を個別に変更できるが、ここではプリセットでもっとも高い画質である「究極」を選択し、同一画面の探索者は「10」、解像度は「UHD」、フレームレートは「60」とした。また、画面にフィルターをかける機能である「スタイル設定」に関しては、「デフォルト」としている。

「幻塔」のグラフィックス設定画面。画面設定の4項目はいずれも描画負荷に関わるもので、今回の計測では負荷をかなり高めに設定している。基本的にはスマートフォンの性能に合わせた設定が自動で選択されているが、自分のスマートフォンで動きがカクつくようであれば、解像度やFPS(フレームレート)を下げるなどの調整をしよう

「スタイル設定」では映像にフィルターを適用し、画面の雰囲気を変えられる。画面フィルター自体はPC版などではしばしば見るものの、モバイルゲームではなかなか見られないユニークな試みだ

 さて、「iPhone 13 Pro Max」の計測では平均フレームレートがおおむね57~60fps前後と、最高の画質設定でも極めて快適な動作が可能なことが確認できた。とはいえ、この状態でのCPU使用率は計測上100%を超えており、GPU使用率も83.85%と極めて高い。現行のハイエンド端末でもこの状態なので、2~3世代以上前のスマートフォンでは最高画質を狙うのはやや厳しそうだ。

iPhone 13 Pro Max、画質「究極」、解像度「UHD」、フレームレート「60」の結果

 一方のiPhone 6sだが、こちらは計測前に問題が起きた。というのも、端末にアプリをインストールしたデフォルトの状態でゲームを起動し、タイトル画面をタップしてゲーム本編に遷移した場合に100%の確率でアプリがクラッシュしてしまうのだ。その後、タイトル画面から画質やフレームレートを最低に設定しなおして何度か試してみたものの、上手くゲームを始めることはできなかった。

 独自仕様の端末が多く、最適化が難しいスマートフォンゲームにおいてはしばしばあることだが、最低動作環境や対応OSといった条件を満たしていたとしても、端末の世代が古すぎる場合には最新のアプリを上手く起動できるとは限らない。5年以上前に購入したスマートフォンで最新ゲームが起動できない、といったことがあれば、素直に買い替えを検討してみるのが無難な選択だろう。

iPhone 6sでも設定の幅は変わらないことが確認できた。ただし、実際のゲーム画面を見ることはできないようだ

 最後に、参考までに本作の最高画質「究極」と最低画質「スムーズ」の違いについて触れておこう。以下に実際の画像を掲載しているが、「究極」では遠景描写こそ若干の甘さがあるものの、テクスチャの密度はしっかりしており、アンチエイリアスによりジャギー感も目立たず、モバイルゲームとは思えないほどしっかりしたビジュアルを実現できている。

 スマートフォンの小さな画面で見た場合、粗が目立つようなことはほとんどないだろう。「スムーズ」でも激しい省略はないが、LoDにより遠景描写がさらに甘くなり、影や反射表現なども簡略化されている。低い設定も全体の印象は悪くないのだが、やはり高画質設定で遊びたいところだ。

画質「究極」を適用したゲーム画面。遠景描写に甘さはあるものの、テクスチャの密度はモバイルゲームとは思えないほどしっかりしており、ジャギー感も目立たない

画質「スムーズ」を適用したゲーム画面。パッと見では大きく印象が変わらないかもしれないが、マップのテクスチャが簡素化され、LoDで遠景の木などが大きく省略されている。また、キャラクターなどの細かい部分にもジャギーが目立つ

 以上のように「幻塔」は、現行のハイスペック端末である「iPhone 13 Pro Max」では非常に快適に動作していたが、iPhone 6sではアプリの起動こそ可能だったものの、肝心のゲーム画面への遷移ができなかった。

 致し方ないこととは言え、今後も画質的にリッチな表現を盛り込んだスマートフォンゲームが増えてくることは想像に難くなく、古い端末を使用しているスマホゲーマーは買い替えを余儀なくされることもあるだろう。

 ハイエンド端末も長く使っていれば徐々に最新端末にスペックが追い付かなくなり、バッテリー寿命の低下、経年劣化によるスペックの不安定化といった問題が起きてくる。ゲームの動作が重い、もっと快適にスマホゲームをプレイしたいという人は、一度自分のスマートフォンの状態を確認してみるのもいいのかもしれない。

【ゲーム情報】

タイトル:Tower of Fantasy(幻塔)
ジャンル:オープンワールドRPG
配信:Level Infinite
開発:Hotta Studio
プラットフォーム:iOS/Android/PC(Steam/Epic Games)
配信日:2022年8月11日
価格:基本無料(一部ゲーム内課金あり)

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