週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

HXシリーズで16コア24スレッドになりました

GIGABYTE「AORUS 17X」実機レビュー = Core i9-12900HX搭載で最強ゲーミングノートだ!

2022年07月28日 10時00分更新

文● みやのプロ(@E_Minazou)+ 編集● ASCII

 GIGABYTEは最速のノート用CPU「Core HXシリーズ」を搭載した、モバイルワークステーション「AORUS 17X」の最新モデルを発売した。搭載GPUにより、上位の「YES-B4JP544UP」と、下位の「XES-B3JP544UP」があり、価格は約54万円と44万円だ。

17型テンキー搭載のフルサイズノートですね

Intel Core i9-12900HXに
GeForce RTX 3080 Ti/3070Tiを搭載

天板は超シンプルな艶消しでスマートな印象です

底蓋を開けると大きなデュアルファンとヒートパイプ、伝導板が占めています

 常に最上位CPUを搭載するAORUSシリーズに、ついにHX搭載モデルが発売となった。CPUはCore i9-12900HXで、Pコア×8とEコア×8の16コアで24スレッド、最大周波数5GHz、最大ターボパワー157Wというモンスターである。

 もちろんGPUはNVIDIAのGeForce RTXで、3080Tiと3070Tiなので最大130W。VRAMはGDDR6を16GBと8GB搭載する。

 メインメモリーはDDR5-4800MHzを32GB搭載、空きスロットが1あり、最大64GBまで拡張できる。ストレージはPCIe4.0で1TB搭載し、こちらも空きスロットが1つあるので増設可能だ。

メインメモリーは32GBの1枚載せなので、空きスロット(右上)を使って64GBにしやすいですね。

PCIe4.0x4のSSDはGIGABYTE製の1TBを搭載

空きのM.2スロットは、1枚目とは別の場所にあります。

 ディスプレーは狭額縁で17.3インチのFHD(1920×1080ドット)で、リフレッシュレートは360Hz、sRGB100%カバーである。実際に速い動きのゲームや、ベンチマークテストの3DCGも、スムースに映し出されて、まったく不満はない。17インチでFHDでは粗いのではという危惧も必要ない。

鮮やかで高輝度なうえ360Hz動作でちらつきは全く感じません。

 キーボードはテンキー付きのUS配列で、AORUS Fusion RGBで1キー単位でフルカラーのバックライトを指定できる。かな表記がないので、とてもスッキリしている。「@」や「{}」の位置がJISとは異なるが、ご存じの通りWindowsで設定を日本語キーボードにすれば(キートップの表記とは異なるが)JIS配列となる。電源ボタンはキーボードとディスプレーの間にあり、クリック感もあって使いやすい。もちろん電源ONでAORUSアイコンが光る仕組みだ。

US配列のまま日本でも発売となりますので、英語配列ファンはうれしいですね。

 タッチパッドは121×76ミリと広くはないが上品なクリック感でミスはない。また、PCの左右センターではなく、メインキーのセンター寄りに設置されている。つまりボディ全体幅からみると左に寄っているので、ホームポジションで使いやすい。

 インターフェースは、Thunderbolt 4にHDMI 2.1、miniDisplayPort 1.4、USB 3.2 Gen1のType-A×2、有線LAN(REALTEK (2.5G) Ethernet)にオーディオコンボジャックだ。ACアダプターは20V/14Aの280W出力である。

左右の奥はともに排気口なので、ACアダプターも手前に挿さなければいけないのがちょっと邪魔です。

 無線はIntel AX211 Wireless (Wi-Fi 6)とBluetooth 、Webカメラは1280×720ドットでHelloの顔認証対応だ。

 サイズは398×254×30mmで、重量は2.7kgと、3kgを切っていてありがたい。クーリングはWおなじみのINDFORCE infinity 冷却システムを、また、速度調整をしてくれる、Microsoft Azure AIも搭載している。

電源投入でシンボルマークが光ります。

後部中央の格子はデザインで、排気は左右の噴射口から出てきます。

底面の後部は全体が吸気口ですが、メッシュになっていて内部にホコリが入りにくい仕組みです。

17型の余裕で、左右のスピーカーユニットは大型で音も迫力があります。

ベンチマークテストはさすが16コアの威力を発揮
Core i9-12900H比で19%増しを記録

 ベンチマークテストはGIGABYTEコントロールセンターというアプリで、PowerModeをGigabyte High Performanceに、MUXスイッチをdGPUに、ファンをターボモードで実施した。ここでは、Azure AIで速度をコントロールするか、NVIDIAのDynamic Boostを使うかなども選択可能だ。

コントロールセンターでは、単にターボモードやECOモードを選ぶことも、細か独自設定も可能となっています。

 さすがに2基のファンが全開になると、排気音はかなり大きくなる。その代わり、キーボード面は熱くならず、ベンチマークテストを連続実行しても値は落ちない。GIGABYTEクオリティーの冷却性能は健在なのだ。

CPUとGPUの使用率や温度がリアルに表示されるのもいいですね。

ファンの排出口はサイドと背面の両方にあり、大型のフィンが熱交換をおこないます。

ヒートパイプとプレートを組み合わせた熱伝導設計で、ほとんどのチップが覆われています。

 今回のi9-12900HXは16コア24スレッドで最高5GHzで157W、現役最高のHシリーズ「i9-12900H」は14コア20スレッドで5GHzの115Wだから、HXはPerformanceコアが2個増えて、スレッドが4増えていることになる。

 CPUの回り具合をみるCINEBENCHはR23で19048、R20で6953、R15で2912まで出たので、HXはHより3~19%加速している。コア数は14%、スレッド数は20%増えているから、期待値通りの高速化といっていいだろう。

 3DMarkのほうは、4種類行なったが、すべてCore i9-12900H+RTX3080Tiと変わらなかった。GeForceに頼る部分では同じチップの最高速が出ているということになる。

 SSDはマルチのシーケンシャルリードで6952MB/s、ライトで4997MB/sと、通常のPCIe4.0x4としては十分な速度が出ている。

 バッテリーの持ちは、Normalモードでディスプレー輝度100%で、3時間15分も稼働した。さすが、バッテリー容量99Whの威力である。いざとなったら、ECOモードで省エネ設定にすれば、モバイルで十分に仕事ができるだろう。ちなみに、バッテリー駆動でも、Turboモードを指定できるが、GPU速度は低下するので、ゲームをする場合はACアダプターもいっしょに持ち歩く必要がある。

 それはちょっと重すぎですという場合、サードパーティーのアダプターになる。試しにAnkerの新製品、100W出力ながら小型軽量の「736Charger」をType-Cに繋いだところ、50~95Wで充電が可能だった。出力が足りないので最高速は出ないが、補助としては安心だ。

Ankerの736 Chargerは100W出力ながら200gしかない。AORUS 17Xでも100W近い入力が可能でした。

 充電速度は、280W出力の付属ACアダプターで、同じ条件でマシンを動作させながらで、0~50%までが49分、70%までが71分、90%までが94分と安定して充電できた。

 AUROS 17GはCore i9-12900HにRXT3080Tiで44万円、17XはCore i9-12900HXにRTX3080Tiで54万円と10万円の差がある。CPUの速度差としてこの価格差は大きいが、世界最速CPUをゲットしたければ、17X一択なのだ。

 
この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります