週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

ブロックdeガジェット by 遠藤諭 特別編

塩田×遠藤が語り尽くす! モバイルPCの原点 PC-8201から理想の端末まで

2022年07月27日 09時00分更新

1983年発売、いきなり完成域にあった
PC-8201から学ぶことはなにか?

 ちょうど1年ほど前にスタートした「ブロックdeガジェット」は、元月刊アスキー編集長の私が、世界を変えたデジタル機器をナノブロックやプチブロックで作りまくるという企画。第1回の「PC-8001」から今年4月の「Apple II」で第43回を数えていた。

 個人的な事情で4月より休んでいたが、先週公開の第44回「家庭用ロボットの原点ソニー AIBOを作る:ブロックdeガジェット by 遠藤諭 044/難易度★★★」より再開させてもらった。

 ブロックdeガジェットは、テーマとするデジタル機器をブロック作る過程を見せるものだけに、「ときどき冒頭で見せる現物をもっと見たい」という意見が以前よりあった。そこで、以下、再開記念に「ブロックdeガジェット特別編」をお届けすることにした。要するに歴史的なデジタル機器を語り倒そうというわけだ。

 塩田紳二氏をゲストにASCIIブランド総編集長の小林 久もオブザーバーとして加わってもらい、「モバイルPCの原点 PC-8201から理想を展望する:ブロックdeガジェット by 遠藤諭 特別編」と題して、1983年にNECから発売されたPC-8201を中心にモバイルPCの誕生からいま真に求められるものはなにか? という内容になっている。

 たっぷり30分にわたってジャーナリスト視点で語るモバイルPCの世界は、もう動画を見ていただくしかないのだが、以下、いくつかのシーンを切り出してみた。

前年に発売されたハンドヘルドコンピューターEPSON HC-20を受けるようにして発売されたPC-8201。塩田氏はドットマトリックス式の適切な液晶パネルの登場が同マシンを成立させる重要なポイントなど時代背景を解説。

遠藤は1981年と早い時期にソニーが発売したTypecorderを持ち込んだ。英文ワープロ専用機ではあるがマイクロカセットにタイピングデータを記録できるモバイル端末の初期の注目マシンといえる。

最初のクラムシェル型マシンはGRiD Compass 1101だとされる。このGRiDを子会社化した米タンディが、1980年代末に日本メーカーを特許侵害で訴えた。当時、日本側から資料として提出された月刊アスキー1978年7月号の極楽1号。

NEC PC-8201とソニーTypecorder、オリベッティから発売された欧州版PC-8201のM10のデザイン比較。NEC PC-8201には、なぜ真っ赤な本体カラーのモデルがラインナップされていたのかの答えとは?

 PC-8201やその米国版PC-8201A、さらにはOEMされたTRS-80 Model 100が、どれだけユーザーの心に刺さっていた? ちょっぴりそれを連想させたマシンが、2021年に発売されて話題となったDevTermという端末だ。今回、番組の中では登場しなかったが、どうみてもPC-8201の匂いのするデザインである。

世界中のモバイルPCファンに突き刺さったDevTerm。液晶左下のカーソルキーはPC-8201そっくり、右のボタン類はPlayStationを連想せずにはいられない。手前はブロックで作ったTRS-80 model 100。

 はたして理想のモバイルPCは、これからどちらに向かうべきなのか? どんなお話になったかは動画をご覧あれ。

 再開したブロックdeガジェットの第44回「家庭用ロボットの原点ソニー AIBOを作る」は、以下からどうぞ。

 

再生リスト:https://www.youtube.com/playlist?list=PLZRpVgG187CvTxcZbuZvHA1V87Qjl2gyB
「in64blocks」:https://www.instagram.com/in64blocks/

 

遠藤諭(えんどうさとし)

 株式会社角川アスキー総合研究所 主席研究員。プログラマを経て1985年に株式会社アスキー入社。月刊アスキー編集長、株式会社アスキー取締役などを経て、2013年より現職。角川アスキー総研では、スマートフォンとネットの時代の人々のライフスタイルに関して、調査・コンサルティングを行っている。「AMSCLS」(LHAで全面的に使われている)や「親指ぴゅん」(親指シフトキーボードエミュレーター)などフリーソフトウェアの作者でもある。趣味は、カレーと錯視と文具作り。2018、2019年に日本基礎心理学会の「錯視・錯聴コンテスト」で2年連続入賞。その錯視を利用したアニメーションフローティングペンを作っている。著書に、『計算機屋かく戦えり』(アスキー)、『頭のいい人が変えた10の世界 NHK ITホワイトボックス』(共著、講談社)など。

Twitter:@hortense667

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事