週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

「X-H2S」と愛用の16-80mmレンズで夏猫散歩 昼の猫も夜の猫もきっちり撮れる

2022年07月20日 12時00分更新

道と塀と門と猫。門が閉まってると人は通れないが、猫ならすり抜けられるのだ。猫には隙間が似合う。2022年7月 富士フイルム X-H2S

 前回に引き続き、富士フイルム初の猫瞳AFを搭載したフラッグシップ機「X-H2S」の話だ。今回は、「XF16-80mmF4 R OIS WR」という広角からちょっとした望遠まで1本で済むという、猫散歩に最適なレンズがメインだ。

富士フイルムからお借りしたX-H2Sに、愛用してる「XF16-80mmF4 R OIS WR」を装着。高性能な割に、ボディはコンパクトでいい感じだ。

 冒頭写真は、道と塀と門と猫である。7月上旬の暑い日のこと、隙間に猫がいた。

 隙間、である。何と何の隙間かというと、塀と門との隙間。歩いていて、なんか違和感を覚えて振り返ったら、隙間から猫がのぞいていたのだ。

 思わずその場でしゃがんでモニタを開いて撮影。耳がちゃんとカットされてる凛々しい猫だ。で、そっと近づくと、猫はそっと後ずさりする。X-H2Sの猫認識AFは、片方の目だけでもちゃんと見つけてくれるので素晴らしい。

猫瞳AFは、片方の目しかとらえられなくてもちゃんとゲット。モニタを開いて撮るときは、画面上の水準器で水平をチェックしつつ撮る。

 ミケ系の猫である。ギリギリまで近づいて望遠でねらうと、向こうもこっちをじっと観察してる。

カメラを目の高さにおいてねらってるので、じっと見つめ合ってる感が出るのだ。互いに見つめ合うカメラと猫。2022年7月 富士フイルム X-H2S

 思わぬところで出会うと楽しいですな。

 

 次は、超望遠レンズに挑戦。団地の柵の向こうに、きれいなハチワレの猫がくつろいでいたのである。

かなり遠くに見つけた猫。鼻の下の黒い毛がちょびひげっぽくてかわいい。美しいハチワレだ。2022年7月 富士フイルム X-H2S

 このときは、野鳥を撮ろうと思って借りた150-600mmという超望遠レンズをたまたま持っていたので、その威力を見てやろうじゃないかとレンズ交換。150-600mmともなるとかなり大きくて重いので、猫撮り用に持ち出すことはまずないのだけど、その威力は絶大なのだった。

この白くて長いレンズが「XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR」。新しく出た超望遠ズームなのだ。

 80mmではあそこまでしか寄れなかった遠くの猫(そもそも柵があって近寄れないのだ)も、600mmなら顔のドアップ。約30万円と猫撮りレンズにはかなりオーバーだけど、野鳥とか野生動物とか飛行機とか、スゴい写真を撮りたい人にぜひ。

600mmあれば、遠くの猫の顔もドアップで。ちゃんと瞳にピントが合ってるし、ひげの1本1本もきれいに撮れてる。まさかこんなアップで撮られてるとは思うまい。2022年7月 富士フイルム X-H2S

 さて話は戻って、レンズは16-80mmに。狭い暗渠道を歩いていると、隣を猫が歩いてた。いやほんとに、数メートルだけど並んで歩いたのだ。猫の歩いてた場所は道から1メートルくらい高いところで、間に柵があるのだけど、都合がいいことに、一ヵ所だけ壊れてるのである。そこにさしかかったときにさっとカメラを向けてみた。

 右耳が垂れてる地域猫で、たぶん、ごはんをもらえる時間が近いのだろう。期待した目で見られたが、こいつは違うとわかると去っていった。近くにいる猫も、さっと広角で撮れるのが16-80mmのよさ。

ちょっと高いところを一緒に歩き、柵が壊れているところでパシャッと撮影。このあと、どっかへ行ってしまった。ちょっと出てる舌がかわいい。2022年7月 富士フイルム X-H2S

 そしてこのあと、この猫が待っているであろう、おばあさまとばったり。おばあさまがベンチに座ると別のハチワレがやってきて、すぐ横にちょこんと座る。それが彼女の日課である。猫を撫でている手がそう。ふだんは膝に乗るのだけど、今日は見知らぬ人(わたしだ)が一緒なので警戒してる。まあ、しょうがない。

撫でられながらちょっと警戒してるの図。じゃまして悪かった。2022年7月 富士フイルム X-H2S

 このおばあさま、家でも保護猫を何匹か飼われているうえに、近所の猫の世話もしているのだ。なぜ知ってるかというと、うちの「かふか」を子猫のときに保護してくれた方なのである。お元気そうでなにより(「子猫が我が家にやって来た!」

 さて、最後は夜の猫。あまりに暑いので出かける気にならない夏の日、夜なら少しは涼しかろうと散歩に出たが、湿度が高くて夜でもつらかった、という日。公園にハチワレがちょこんと座ってたのである。

 ちょうど公園灯が当たる場所とはいえ、とても暗い。ISO感度をぐぐっと上げてもシャッタースピードは1/8秒。ダメ元で撮ってみたら、X-H2Sのボディ内手ブレ補正+16-80mm F4のレンズ内手ブレ補正の合わせ技は強力だった。

 猫が「え? なんでこんな時間に人がいるの?」という顔をして一瞬フリーズしてくれたおかげで、望遠で1/8秒でもブレずに撮れたのだった。もちろん、暗くても猫瞳AFは問題なし。

夜の公園猫。思ったよりしっかり撮れててこっちがびっくり。驚かしてすまんかった。2022年7月 富士フイルム X-H2S

 かくしてX-H2Sを手に、いろんな猫と出会ってみたのであった。昼の猫も夜の猫もきっちり撮れる、さすが猫撮りフラッグシップ機なのであった。フラッグシップ機の割に、ボディもコンパクトなのでおすすめ。

■Amazon.co.jpで購入
 

筆者紹介─荻窪 圭

 
著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事