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親と10代20代の子供のデバイス利用状況:概要紹介

日本の子どものネットリスク発生率が低い理由は「デバイス利用後進国だから」

2022年07月11日 18時00分更新

子どものデバイス利用状況(日本)

日本の子どもはリスク経験に乏しい?

 マカフィーは6月、「2022年度 ネット接続している家族に関するグローバル調査(McAfee Connected Family Study)」を発表した。これは、世界10ヵ国の親1万5500人とその子ども1万2000人以上を対象に、家庭でのネット接続とその保護状況をまとめたもの。

 それによると、「大切な家族を守るための考え方や行動に世界的に大きな違い」があるものの、「世界中のほぼすべての親がネット上でも保護者としての役割が必要だと認識している一方で、その理想と現実に乖離がある」ことが判明したという。

 親は、自分のスマホにはパスワード保護を掛けたり、ネットショッピングを信頼できる店舗(Webサイト)に限定したりなどセキュリティに気を使っている一方で、子どものデバイスに同様のことをしていると答えた親は42%に留まっている。

 なお、特に日本の親はその傾向が高く、たとえば子ども用デバイスのブラウザやメールの閲覧履歴をチェックすると回答したのはわずか9%(世界平均は32%)。また、ペアレンタルコントロール(保護者機能)の使用、特定Webサイトへのアクセス制限、対面での監視などに関しても、世界平均より低いという結果が出た。

 とはいえ、日本の子どもは他国よりもネット利用に伴ういじめや個人情報不正利用などの発生率が低い。これ自体は喜ぶべきことだが、調査結果ではパソコンやタブレット利用率の低さが結果的に発生率の低さにつながったと見ており、デバイス利用の立ち遅れが指摘されている。これはオンラインでのリスク経験に乏しいと言い換えることも可能だ。

子どもが体験したオンラインリスク(日本)

 この調査結果を受けて、マカフィー 日本・アジア地域チャネルマーケティング本部長の青木大知氏は次のように述べている。

 「保護者は、現実の世界で子どもを守る責任と同様に、オンライン上でも保護者としての役割を認識しています。日本の調査結果から、海外と比べインターネット利用の安全性が比較的に安全なものと捉えられている傾向が見られます」

 「またセキュリティにおける潜在的なリスクがあまり感じられていないことによる、保護対策の遅れが垣間見ることができました。小中高生のオンライン利用が高まるなか、セキュリティベンダー、通信事業者、デバイスにおいてどのような対策ソリューションが提供されているかを一度見直す良い機会であると考えます」

 なお次回より、この調査結果をもとにした日本独自の傾向を数回に渡ってお届けする。

※調査は2021年12月13日~29日に世界10ヵ国(オーストラリア、ブラジル、カナダ、フランス、ドイツ、インド、日本、メキシコ、イギリス、アメリカ)の10歳から18歳の子どもを持つ1万5500人の親と1万2057人の子どもを対象にオンラインアンケートで実施。

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