ものづくりのプロ集団がプロトタイピングを徹底サポート、北九州市の次世代ハードウェアスタートアップ創出プロジェクト「Maker’s Project 2022」、7月25日までエントリー受付中
思い、アイデアがハードウェアになる Maker’s Project 2022募集開始
北九州市は、ハードウェアのビジネスアイデアで、次世代ハードウェアスタートアップを創出するプロジェクト「Maker’s Project」の2022年度の参加者を募集、2022年7月25日(月)までエントリー受付中だ。本プロジェクトは、ものづくりの街である北九州市がハードウェアのアイデアを全国から募集し、プロトタイプの完成までを支援するもの。採択チームには、共創企業から最大100万円の開発費の支援と、ものづくりのプロ集団であるメンター陣のサポートが受けられる。ものづくりが未経験でもアイデアがあればOK。居住エリアや個人、企業を問わず、誰でも応募可能だ。
北九州市の資源を活かしてプロトタイプ完成を目指す、ハードウェア特化型ビジネス創出プロジェクト
ものづくりの街として長い歴史を誇る北九州市は、再生可能エネルギーなどの環境分野や産業用ロボットを強みとし、ロボットメーカーの株式会社安川電機などが世界的に知られている。2017年からは北九州市に所在する企業のリソースやノウハウを生かし、ものづくりとデジタル技術を融合した次世代ハードウェアスタートアップの創出事業「IoT Maker’s Project」をスタート。6年目の今回からはIoTに限らず、ハードウェア全般を応募対象とし、「Maker’s Project」と名称が変更された。
ビジネスアイデアを募集するだけでなく、実際にプロトタイプを製作するのがこのプロジェクトの特徴。自分たちの考えたアイデアが形になると、具体的な事業や共創のイメージがわきやすい。過去5回の採択チームのいくつかはプロジェクト後に事業化に成功しており、製品の販売数は累計約2万5000台、資金調達額は22億円にのぼる。事業化へのスピードの速さも本プロジェクトならではだ。
ものづくりの技術や経験は不問、アイデアさえあればOK
Maker’s Projectは、全国からハードウェアに関するビジネスアイデアを募集し、書類審査とプレゼンによる審査を経て、採択チームを決定。7ヵ月かけてプロトタイプを開発し、北九州市のフィールドを使った実証実験を実施、2023年3月のデモデイで発表する。
応募は全国エリアを問わず、チームの責任者が40歳未満であれば誰でもエントリー可能だ。事業アイデアさえあれば、ものづくりの技術や経験は問わない。プロトタイプ製作では、ものづくりのエキスパートであるメンター陣が開発を手厚くサポートしてくれる。
メンター陣には、IoTハードウェアのプロトタイピングを支援するシードアクセラレーターの株式会社ABBALabの代表取締役 小笠原 治氏、先輩ハードウェアスタートアップである株式会社Shiftall 代表取締役CEO岩佐 琢磨氏、クラウドファンディングサービスの株式会社マクアケ 共同創業者/取締役 木内 文昭氏の3名がプロジェクト全体を監修、さらにプロトタイプの設計と製作の支援には合同会社Next Technology代表 渡邊 祥気氏、ハードウェアデザインを専門とする西日本工業大学 デザイン研究所 所長 中島 浩二氏が参加。アイデアのブラッシュアップからプロトタイプ製作、その後の販売までを見据えた実践的なメンタリングが受けられる。
企業との共創で早期事業化や海外展開も目指せる
共創企業は株式会社ドーワテクノス、株式会社ラック、株式会社REIZの3社。また今年度はMaker’s Project運営事務局にも採択枠が設けられ、各企業と事務局が各1チームずつ、計4チームが採択される予定だ。採択チームには、開発支援金の最大100万円のほか、共創企業各社の提供リソースに応じて、実証実験や生産体制の支援、事業化へ向けた投資や販路の支援を受けられる。
募集テーマは自由となっているが、共創企業が審査するため、共創をイメージしやすい領域を狙ってアイデアを広げてみるのもよいだろう。アイデアは複数エントリーできるので、チャンスが広がる。
なお、各企業、事務局の興味のある領域は以下の通り
・産業用ロボットの活用領域拡大(株式会社ドーワテクノス)
・セキュリティ/セーフティ(株式会社ラック)
・商品力のある新製品の開発(株式会社REIZ)
・環境/ロボット/DX(Maker's Project事務局)
8月にキックオフと合宿、2023年3月にデモデイを開催
過去の開催では、九州外からの参加が約半数だというそう。今年度からはチームやメンター、共創企業間との交流をさらに深めるために、8月19日にキックオフ会、8月27日、28日には合宿を実施し。その後9月~2023年3月まではプロトタイプ製作期間に入るが、製作メンターの伴走支援に加えて、共創企業への訪問や関連機関との交流会など月1回のイベントが予定されている。イベントへの参加や開発時の移動にかかる交通費や宿泊費は開発支援金を利用できる。
なお今年度は、北九州市が主催する5つのスタートアップ関連事業をつなぎ、スタートアップエコシステムの形成を促進させる取り組みを実施。8月19日のキックオフ、プログラム期間の定期的な交流イベント、3月のデモデイは5事業合同で開催される。またSlackを活用して全事業の参加チームや、関連企業や専門家との情報を共有できる。
キックオフや合宿は8月の夏休み、デモデイは3月下旬なので、学生も参加しやすい。自分のアイデアがプロトタイプとして形になる過程や、モノづくりのプロや若い起業家たちとの交流は貴重な経験になるだろう。事業化は考えていない人も気軽にエントリーしてみては。
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