NECパーソナルコンピュータ(以下NECPC)は7月4日、新たにゲーミングPCラインアップである「LAVIE GX」シリーズの発表会を行った。
同社のPC-9801シリーズ発売40周年となる今年、現行PCブランドであるLAVIEシリーズに、ゲーミングにも対応したラインアップを追加することになる。
日本のPCシーンを切り開いたのは間違いなく同社のPCであり、かつてのPCゲームシーンを牽引したのもまた同社であることから、本製品をPCゲーム市場への”再参入”製品と位置づけ、LAVIE GXは、ここ数年企画されてきたゲーム向けPC開発プロジェクト「Project炎神」(プロジェクトエンジン)の第一弾製品としている。
発表会に登壇した同社執行役員の河島良輔氏によると、「Project炎神」の目標として、「PCゲーム人口の裾の拡大」、「PCゲームUX Transformation」、「PCゲームエコシステム活性化」の3つを掲げており、LAVIE GXは、かつてレトロゲームで遊んだ元ゲーマーのパパ世代のPCゲーム回帰、ゲーム実況動画などを見て新たにPCゲームに興味を持ったZ世代といった、PCゲームエントリー層をターゲットにし、既存のゲーミングPCとの橋渡し的ポジションになれたらと考えているとしている。
そんな「LAVIE GX」シリーズの主な特長は以下の4つ。
・リビングにも馴染むシックなデザイン
・最新タイトルも快適に遊べる高性能
・コンソール機のように買ってすぐに遊べるオールインワンパッケージ
・PCゲーム初心者でも安心のゲーム専用サポート
リビングにも馴染むシックなデザイン
LAVIE GXは、ハイエンドゲーミングPCによく見られるような派手な電飾などはあしらわず、一般家庭のリビングにもマッチするようなシックなデザイン。フロントパネルは、幾何学形態を基本とする伝統的な和柄をベースにした和柄五崩し調。筐体もブラック一色でまとめられている。
最新タイトルも快適に遊べる高性能
性能に関しては、PCゲームエントリー者向けということもあり、超ハイエンドというものではなく、程よくこなれたミドルクラスの構成。
その主な特長は以下のようになっており、最新PCゲームタイトルを快適に遊ぶのに過不足のないものとなっている。
・第12世代インテルCoreプロセッサー搭載
・NVIDIA GeForce RTX3060/AMD Radeon RX 6400グラフィックスカード搭載
・65W CPUクーラーと効率的なエアフローによる冷却性能
・デュアルチャネル対応16GBメインメモリー
・高速な起動ができるSSD(PCIe) Gen4
・2.5GbE対応有線LAN/Wi-Fi 6対応無線LANによる高速通信
シリーズには、CPUにCore i7-12700Fを搭載し、GPUにNVIDIAR GeForceRTX3060を採用した「GX750/EAB」と、CPUにCore i5-12400F搭載でGPUにAMD Radeon RX 6400採用の「GX550/EAB」の2モデルを用意。
店頭販売モデルのそのほかの主なスペックは以下の通り。
「LAVIE GX」の主な仕様 | ||
---|---|---|
型名 | GX750/EAB | GX550/EAB |
OS | Windows 11 Home 64ビット | |
CPU | Core i7-12700F(最大4.9GHz) | Core i5-12400F(最大4.40GHz) |
コア数/スレッド数 | 12コア/20スレッド | 6コア/12スレッド |
メモリー | 16GB(DDR4 SDRAM/DIMM 8GB×2) | |
グラフィックス | NVIDIA GeForce RTX 3060 | AMD Radeon RX 6400 |
ストレージ | SSD 約1TB(PCIe) | SSD 約474GB(PCIe) |
サウンド | インテル ハイデフィニション・オーディオ準拠 | |
LAN | 2.5GBASE-T/1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T対応 | |
Wi-Fi | Wi-Fi 6(2.4Gbps)対応(IEEE802.11ax/ac/a/b/g/n) | |
Bluetooth | Bluetooth Smart Ready(Ver.5) | |
拡張スロット | PCI Express x16スロット×1[空き:0] PCI Express x1スロット×1[空き:0] |
PCI Express x16スロット×1[空き:0] PCI Express x1スロット×1[空き:1] |
USBポート | USB 3.2 Gen1 Type-C ×1、USB 3.2 Gen2 Type-A ×1、 USB 3.2 Gen1 Type-A ×1、USB 2.0 Type-A ×4 |
|
映像出力ポート | DisplayPort×3、HDMI出力×1 | DisplayPort×1、HDMI出力×1 |
サイズ | 170(W)×308.6(D)×370(H)mm(突起部除く) | |
質量 | 約6.5kg | 約5.8kg |
主な付属品 | USBキーボード、USBマウス、ヘッドセット、Xbox ワイヤレス コントローラー |
価格はオープンプライスだが、市場想定価格は、GX750が30万2280円、GX550が21万9780円(共に税込み)としている。
このほか、NEC Direct専売のカスタマイズモデルでは、メモリーを32GBに変更したモデルや、ストレージをSSD+HDDハイブリッドにしたモデル構成などが選べる。
コンソール機のように買ってすぐに遊べるオールインワンパッケージ
LAVIE GXには、買ってすぐに遊べるようにとXboxワイヤレスコントローラーとゲーミングヘッドセットが同梱されている。ディスプレーと外部スピーカーは別途用意する必要があるが、リビングで利用するのであれば、HDMI入力のあるテレビに繋いですぐにでもPCゲームを楽しむこともできる。
コンテンツに関しては、数百タイトルのPCゲームや、ストリーミングプレイでXboxゲームが遊べる、マイクロソフトの「Xbox Game Pass Ultimate」が3ヵ月間無償で利用可能な権利も付属しており、文字通り買って設置すればすぐに遊び始められる。
また、カプコンの最新PCゲームタイトル『モンスターハンターライズ:サンブレイク』とのコラボレーションも実施。動作確認済みPCの認証に加え、8月31日までの間にLAVIE GXを購入したユーザーへの『モンスターハンターライズ』プレゼントキャンペーンも実施。
さらに、「PC-9801」40周年記念コラボの第一弾として、お父さん世代には懐かしいPCレトロゲームを、エミュレーターを利用して継承していくプロジェクト、D4エンタープライズの「プロジェクトEGG」ともコラボレーション。LAVIE GX購入者を対象に、プロジェクトEGGで利用できる3000ポイントがもらえるキャンペーンも実施。しっかりと、かつてのPCゲーム小僧であるお父さんを狙い撃ちにしたキャンペーンも張ってくるところが心憎い! こちらも8月31日までの限定キャンペーンとなっている。
PCゲーム初心者でも安心のゲーム専用サポート
そしてもうひとつの特長が、既存のPCサポート窓口とは別に、ゲームに関する質問を24時間365日、電話で問い合わせできる「LAVIE ゲーミングサポート」が利用できる点。LAVIE GXの購入から1年間は無料で利用できる。
本サポートでは、ゲームタイトルの初期設定やコントローラやヘッドセットの接続方法、「Xbox Game Pass Ultimate」や「Steam」の利用に関する問い合わせなどに対応。ただし、一部未対応のゲームタイトルもあり、またゲームの進行や攻略法などの相談は行えない。
最後のPC-98から24年、NECのPCでゲームが遊べる日々が帰ってきた!
NECPCが”再参入”したゲーム向けPCの取り組みは始まったばかり。今回はエントリーPCゲーマー向け製品だが、今後もこのジャンルに向けて、2021年のCESで参考出品された「LAVIE MINI」のような、面白そうなコンセプトの製品の登場も期待できる。
何にせよ、NECPCからゲームがバリバリ遊べるPCが発売されたことは、日本のPCの業界にとって吉報と言えるだろう。IT分野に限らず、様々な面で海外勢に遅れを取っていることが目立つ昨今の日本だが、幸いなことにゲーム市場に限って言えば、まだまだ世界に通用するコンテンツホルダーも多い。その趨勢を築いた立役者であるNECPCにも、ぜひまたこのフィールドでの活躍を大いに期待したい。
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