M2チップの今後の展開に期待大
M2搭載MacBook Pro 13インチのベンチテスト詳報 M1やM1 Pro、M1 Maxとも比較
「低電力モード」の性能低下が著しいM2チップ
すでに述べたように、M2搭載のMacBook Pro 13インチモデルの「バッテリー」システム環境設定には、「低電力モード」というチェックボックスがある。
これはバッテリー使用時だけでなく、「電源アダプタ」使用時の設定にも含まれる。バッテリー使用時にはバッテリーの持続時間を延長し、電源アダプタ使用時には発熱を減らしてファンの騒音を抑える効果を狙ったもの。バッテリー/電源アダプタ使用時のそれぞれに対して、低電力モードとそうでないモードの2種類があり、合計4種類の動作モードがあることになる。
ここでは、M2搭載の13インチモデルのみについて、これまで示してきたすべてのテストで、4種類の動作モードで測定した結果を比較する。結論から先に言うと、M2の低電力モードと通常のモードの性能差はかなり大きく、テストによって半分以下の性能となった。これは、M1 ProやM1 Maxの低電力モードが、せいぜい20%程度の性能低下に収まっているのと対照的だ。M2では、強制的にCPUのクロック周波数を低くするなど、ドラスティックな低電力動作を採用しているものと思われる。
結果の違いはグラフを見れば明白なので、ここではグラフのみを示して、考察は割愛する。
・M1とM2ではCPU、GPU性能自体の差は、さほど大きくない
・M2にメディアエンジンが加わったことで、M1に比べてエンコード性能が大きく向上した
・M2の低電力モードは、通常のモードに比べて性能低下が著しい
なお、先行のレビュー記事で明らかにしたように、M2搭載13インチモデルのバッテリー持続時間は、YouTubeビデオの連続再生で約28時間という驚異的な性能を示した。低電力モードでは、これがさらに延びるのではないかという期待もあるかもしれないが、実際にはそれほど大きな違いはなかった。それでも約1時間ほど延びて、28時間57分という、もうちょっとで30時間にも届きそうな値が出た。
インターネット経由でのビデオ再生では、動作モードにかかわらず処理内容は一定なので、低電力モードの効果が小さいものと思われる。ユーザーが作業したり休んだりしながら続ける一般的な処理では、負荷が断続的なものとなるため、低電力モードの効果はかなり期待できるだろう。
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