M2チップの今後の展開に期待大
M2搭載MacBook Pro 13インチのベンチテスト詳報 M1やM1 Pro、M1 Maxとも比較
2022年07月04日 12時00分更新
辛うじてCPU性能順に並ぶXIPファイル展開
このテストでは、Xcode(12.2)インストール用の圧縮ファイル(11.44GB)を、デフォルトの「アーカイブユーティリティ」で展開するのに要する時間を計測する。全モデル、同じ圧縮ファイルを使用しているので、条件はまったく同じ。
結果の違いはわずかながら、CPU性能が高いほど処理時間も短いというものになった。
このテストは、圧縮ファイルのシーケンシャルな読み出しと、展開後のフォルダー/ファイルのランダムな書き込みを含むディスク性能テストに近いと考えられる。結果は、まずまず順当なものとなった。
メディアエンジンの効果が顕著に現れるiMovie/Final Cut Pro出力
iMovieによる出力テストは、約50秒の4Kビデオ(ファイルサイズは約125MB)を、再エンコードして出力する時間を計測する。M1搭載13インチモデルをテストした際のiMovieでは480pで出力していた。それ以降のiMovieのバージョンでは、480p出力が廃止され、それに近い解像度は540pとなったので、M1 Prp、M1 Max、M2搭載機種では540p出力としている。
結果は、CPU性能の順番どおりと言ってしまえばそれまでだが、これまでに見てきたCPU性能の差以上の差が付いているは明らかだ。これはビデオエンコードにも利用されるメディアエンジンの効果だろう。
Final Cut Proでは、25個の8Kビデオクリップをコンポーズしながら約43秒の4Kビデオファイルとして出力する時間を計測した。傾向としてはiMovieの出力テストと同様だが、データ量が多いためか、実装メモリ量の違うM1 ProとM1 Maxの差が大きくなっている。
メディアエンジンは、素のM1のみ搭載していない。CPUやGPU性能自体は、M1と大差ないと思われがちなM2だが、ここに来て大きな差が出る処理が明らかになった。
M1搭載モデルだけが遅いXcodeによるアプリのビルド
Xcodeによるアプリのビルドは、アップルがデベロッパー向けに提供している「SwiftShot」というiOS向けARゲームのサンプルコードをビルドするのにかかる時間を測定している。XcodeはmacOSのバージョンによって動作するバージョンの幅が狭いので、それぞれテスト当時の最新版のXcodeを使用している。
結果は、M1チップ搭載の13インチモデルのみがやや遅く、M1 Pro、M1 Max、M2搭載モデルでは、ほとんど(0.1秒単位まで)同じという結果となった。M1搭載モデルが遅いのは、Xcodeのバージョンの違いによるものかもしれない。いずれにせよ、Xcodeによるアプリの開発に限って言えば、搭載チップによる差も大きくなく、実装メモリ容量の違いが速度に与える影響もほとんどなさそうだ。
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