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<番外編>

見えない見えにくい人のための職業教育! 横浜市立盲特別支援学校で「オープンスクール」を7月9日に開催

横浜市立盲特別支援学校

 日本テレビ系で放送された「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」は、弱視の高校生が主人公のドラマです。その舞台となった横浜市立盲特別支援学校は、およそ130年の歴史ある学校です。視覚に障害のある幼児児童生徒への教育活動を行なっています。

 2022年7月9日(土)に専攻科オープンスクールを開催します。

 完全電話予約制なので、ご希望の方はお早目に。

 オープンスクールとは、平日にお仕事などで見学に来られない方々に向けて、専攻科での授業の様子をご覧いただいたり、あん摩などの実技をしていただく企画です。

 そのオープンスクールについて、いつものメンバー、しもん、まちことみゆきでお話していきます。

 もしもお目めに合いましたら、読んでみてくださいね。

しもん:こんにちはー!

みゆき:ご無沙汰です!

まちこ:お久しぶりです!

しもん:今回はどうしたの?

みゆき:7月9日の土曜日に専攻科のオープンスクールがあるんです!

まちこ:授業の様子を見学できたり、あん摩体験ができますよ!

しもん:おぉ!それはいいねぇ♪

みゆき:視覚障害当事者だけでなく、どなたでも参加できます!

まちこ:電話での完全予約制なので、ご注意くださいませ。

みゆき:定員もあるので、こちらもご注意を。

しもん:ちなみに専攻科ってなんだっけ?

まちこ:視覚障害の方にあん摩マッサージ指圧、はり、きゅうを教える職業課程だよ。

しもん:みゆきとまちこは専攻科へ通ったんだっけ?

みゆき:そそ。私は高校を卒業してすぐに入学したの。

まちこ:私は見えにくくなって仕事を辞めた30歳代に。

しもん:専攻科に入ってどうだった?

みゆき:それまで酷使していた眼をあまり使わなくなったから楽になったよ。

まちこ:崖っぷちの気持ちで入ったから、死ぬほど勉強しました。

みゆき:あと見えるふりをしなくてもよくなったかな。

しもん:見えるふり?

みゆき:自分が見えにくいと周りの人に思われたくなかったから、一生懸命見えるふりをしていたの。

しもん:そうだったのね。

みゆき:ありのままの自分でいられる幸せ。

まちこ:ありの~ままの~♪私、手が冷たい氷の女王様なんですよ!

しもん:おっ、おう… それで学校生活はどうだった?

みゆき:最初の1年間は勉強しないで部活三昧だったなぁ。

まちこ:振り返って記憶がないくらい勉強してたなぁ。

しもん:みゆきはなんで専攻科に入ったの?

みゆき:見学した時の先生が、触っただけで病気がわかるようになるって教えてくれたから。

しもん:触っただけで分かるの?

みゆき:いやー私も最初はだまされたー!って思ってた。

しもん:そうだよね。

みゆき:でもね、その後に触って分かるようになるって気づいたよ。

しもん:えーそうなの?

みゆき:体って不思議なのよ。

まちこ:筋肉がコチコチでもやわらかくなるしね。

みゆき:凝り固まった心も和らぐしね。

しもん:へーすごいね!

みゆき:見えにくいという一見ハンディキャップでも、武器になるんです。

まちこ:触覚を研ぎ澄ましてね。

しもん:へーすごいなぁ。

みゆき:あん摩マッサージ指圧、はり、きゅうは私たちに向いているお仕事です!

しもん:オープンスクールってどんなことをするの?

みゆき:授業の様子を見学できます。

しもん:どんな授業があるの?

まちこ:いわゆる「ツボ」の授業。

みゆき:「ツボ」を取るといって、実際に体を触って確かめます。

ツボの位置を確認

みゆき:それに、人体模型を使った解剖学の授業。

まちこ:市販されていない模型はお手製の模型を使います。

しもん:そそ。3Dプリンターで作るんだよね。

まちこ:色塗りはボランティアさんです。

しもん:ありがたいね。

3Dプリンター模型仙骨  模型 ホムンクルス  模型視覚の伝導路     

みゆき:あとはリハビリテーション医学。

まちこ:階段昇降や平行棒なんかを使って訓練したりね。

しもん:病院のリハ室みたいだね。

しもん:そしてそして?

みゆき:レクリエーションの授業もあるよ。

まちこ:障害者スポーツやヨガ、ゲームをすることもあるよ。

しもん:息抜きみたいでいいなぁ。

ボッチャのジャックボールの位置を鐘で知らせる

ボッチャの投げたボールの位置を笛で知らせる

みゆき:それとあん摩やはりの実技もありますよ。

しもん:授業見学が終わったあとは?

みゆき:3年生の臨床実習であん摩体験ができますよ!

まちこ:無料で40分間。

みゆき:もちろん受けたくない方はおっしゃってくださいね!

臨床室の様子

しもん:自分も受けたいなぁ。

みゆき:いつでもあん摩するよ。

まちこ:しもんはどこがつらいの?

しもん:翼の根本、首のあたりが。

まちこ:いわゆる手羽元かな。

みゆき:あー私免許あるから有料ね。しもん。

しもん:えぇーーー。そんなぁ。。

 次回も読んでいただけたらうれしいです。

 もしも、お目めに合いましたら。

令和4年度 横浜市立盲特別支援学校専攻科 オープンスクール
日時:2022年7月9日(土)9時10分
2つのグループより選択
・グループ①
 受付時間 :9時10分~9時20分
 授業見学 :9時20分~10時20分
 あん摩体験:10時30分~11時20分
・グループ②
 受付時間 :10時~10時20分
 授業見学 :10時10分~11時10分
 あん摩体験:11時20分~12時10分
会場:横浜市立盲特別支援学校 1階 機能訓練室
 (横浜市神奈川区松見町1-26 ※東急・妙蓮寺駅より徒歩12分、JR・大口駅より徒歩8分)
内容:平日に仕事や学校などで見学ができない方々に授業の様子や学習内容、設備などをご覧いただけます。希望者には3年生の臨床実習(あん摩体験)も体験可。
参加費:無料
定員:それぞれの時間帯で8名
申込方法:電話のみ(希望グループと、あん摩体験の有無、個別指導が必要かを伝えてください)045-431-1629(9時~16時)
予約期間:6月28日(火)~7月7日(木)

プロフィール
文/横浜市立盲特別支援学校専攻科

「しもん」のイラスト/横浜市立盲特別支援学校
「みゆき」と「まちこ」のイラスト/関口 千秋

しもん:横浜市立盲特別支援学校、略して市盲が名前の由来。校章の幸福の青い鳥がご先祖様。公認キャラクター就任1年目。


 

まちこ:13歳で網膜色素変性症(色変)と診断。徐々に視野狭窄が進行。黒猫をめでながらお酒を飲むのが大好き。
みゆき:生まれつき弱視。右目は緑内障で13歳の時失明。ハンドミルでコーヒーを入れてその香りと共にチョコレートを楽しむのが習慣。

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