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低学年からの導入を希望する保護者が94%

保護者はテストのオンライン化に賛成も、CBTの意味を知らずITリテラシーも低め

2022年06月28日 09時00分更新

イー・ラーニング研究所「2022年:テストのオンライン化・CBTならびに親のITリテラシーに関する調査」より

授業のみならずテストもオンライン!?

 コロナ禍の後押しもあり、オンラインで受けられるテストも増えてきているが、どのくらい受け入れられているのだろうか。イー・ラーニング研究所の「2022年:テストのオンライン化・CBTならびに親のITリテラシーに関する調査」(2022年6月)を見てみよう。

 「学校でのテストのオンライン化について賛成ですか」という質問に対しては、89%と約9割が「賛成」と回答。賛成する理由は、「どこでもテストを受けられるから」が1位。そのほか「テストのフィードバックがすぐ受けられるから」「テストの成績が可視化されるから」という回答も。

 一方、反対の理由は「カンニングなどの不正行為の可能性があるから」「インターネット環境の差が出るから」が多かった。

CBT認知度は低いがテストのオンライン化には「賛成」

 CBTとは「Computer Based Testing」の略で、コンピューターを使った試験方式のことだ。国家試験や民間の資格・検定、就職・転職活動時に実施されるSPI試験などで活用されている。マウスやキーボード、マイクを活用して回答し、試験終了と同時に確認できる場合もあるなど、試験結果が短期間でわかるといった特徴がある。

 「CBTという言葉を知っていますか」という質問では、「言葉の意味を理解している」と回答した人がわずか10%となり、テストのオンライン化を歓迎しているものの、認識は低いという結果となった。

 とはいえ、「子どもに英語や漢字などの検定をCBT形式で受けさせたいですか」との問いでは86%が「受けさせたい」と回答。「CBT」という言葉自体の認知は低い反面、オンラインという手段自体は積極的に導入を希望しているというわけだ。

 また、「CBT形式のテストを導入するのはいつからが適していると思いますか」という質問では、「小学生未満」「小学1~2年生」という回答が多く、合わせると全体のおよそ半数を占めた。

 ところが、「自分自身のITリテラシーは高いほうだと思いますか」という質問に対しては、「低い」「やや低い」が65%と半数以上に。加えて「保護者を対象にした、ITリテラシーを高める取り組みは必要だと思いますか」という問いに対しても、「必要」「やや必要」で94%を占めた。

 昨今はGIGAスクール構想によって小学1年生から端末を持ち、学習に利用する時代だ。オンラインにはさまざまな利便性があり、保護者もメリットを感じている。抵抗感もほとんどないようだ。一方で、保護者世代はITリテラシー教育を受けておらず、自信もない傾向にある。保護者も機会を見つけて学んだり、子どもに教えてもらったりする時間を持つとよいかもしれない。

著者紹介:高橋暁子
 ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki

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