チップセットの割にはグラフィック性能が低め
続いて性能面を確認すると、Galaxy M23 5Gはチップセットにクアルコム製のミドルハイクラス向け「Snapdragon 750G」を搭載、メモリーは6GB、ストレージは128GBで、microSDにより最大1TBまでの容量追加が可能だ。最近の5G対応ミドルクラスは「Snapdragon 695」を搭載していることが多い。それより1つ上のクラスのチップセットを搭載しているのだが、ベンチマークを取ったり、性能が大きく影響するゲームをプレイしたりしていて気になったのが、チップセットの割にグラフィック性能があまり高くないことである。
実際「3DMark」のスコアを見ると、Snapdragon 695搭載機種の半分程度にとどまっているし、AAAクラスのゲームでは画質を上げてプレイするとフレーム落ちが発生しやすくなる。チップセット性能からゲームプレイに期待する人は注意すべきだろう。
一方でバッテリーは5000mAhと、こちらも最近のスマートフォンでは一般的になりつつある大容量のものを搭載しており、実際に使っていても不満を抱くことはあまりなかった。急速充電は25Wに対応しており、超高速とはいかないが大容量バッテリーを搭載しているだけに、それなりに速い速度で充電できるのもうれしい。
通信面を確認すると、SIMスロットは物理SIM(nanoSIM)×2のデュアルSIMで、もちろん名前の通り5Gにも対応。ただし対応周波数帯は3.7GHz帯(n77、n78)のみなので、4Gを転用した5Gの周波数帯に対応していないほか、ドコモの4.5GHz帯(n79)にも対応していない点には注意が必要だ。
【まとめ】安定感はあるが次は防水・FeliCa対応が欲しい
まとめると、Galaxy M23 5Gはサムスン電子としては初めてのオープン市場向けモデルながら、コストを抑えている部分は随所に感じられるものの、国内でも使い慣れている人が多いGalaxyシリーズの機能やインターフェースを引き継いでいることもあって、実際に使ってみると安定した使い心地が得られるのはメリットだ。3万円台が主流のミドルクラスの中ではやや高めだが、普段使いの安定性を重視するなら良い選択肢といえそうだ。
ただ搭載するチップセットの割にグラフィック周りのパフォーマンスが良くないこと、そして多くのメーカーがオープン市場向けモデルでも防水・FeliCa対応モデルの投入を積極化してきている中、このタイミングで投入したモデルながら国内向けカスタマイズがない所は惜しいと感じてしまう。今回のモデルは第1弾となるだけに、今後投入されるモデルには不満点の改善点を期待したい。
「Galaxy M23 5G」の主なスペック | |
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ディスプレー | 6.6型液晶(約20:9) 120Hz対応 |
画面解像度 | 1080×2408 |
サイズ | 約77×165.5×8.4mm |
重量 | 約198g |
CPU | Snapdragon 750 5G |
内蔵メモリー | 6GB |
内蔵ストレージ | 128GB |
外部ストレージ | microSD(最大1TB) |
OS | Android 12 |
対応バンド | 5G NR:n77/n78 LTE:1/2/3/4/5/8/12/17 /18/19/26/28/38/40/41/42 W-CDMA:1/2/4/5/8 |
カメラ画素数 | 約5000万画素+約800万画素(超広角) 約200万画素(マクロ) イン:約800万画素 |
バッテリー容量 | 5000mAh |
生体認証 | ○(側面指紋) |
防水/防塵 | ×/× |
USB端子 | Type-C |
カラバリ | ディープグリーン、ライトブルー |
価格(SIMフリー版) | 4万975円 |
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