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ロードスター 990Sの車内はスマートフォンをどこに置くのがベスト?

2022年05月28日 17時00分更新

ナビも高級オーディオもないけど
スマートフォンは使える「990S」

 マツダの「ロードスター 990S」は、“軽い”ことを追求した特別仕様車です。ですから、走りに必須ではないものは、どしどしと省かれています。その省かれたもののひとつに「マツダ・コネクト」があります。カーナビをはじめApple CarPlayやAndroid Auto、インターネットラジオの受信などを行なうための装備です。ところが「990S」は、そんなマツダ・コネクトの機能がないだけでなく、なんとモニター用のディスプレーさえもありません。

ロードスター 990S

 ちなみに、ロードスターで人気の高性能オーディオ「BOSEサウンドシステム」もありません。装備されていないだけではなく、オプションとしても付けることはできないのです。ロードスターそのものは音が良いわけではありませんので、それに関しては、最低限度だと覚悟しておきましょう。

 ただしオーディオはあります。ドアの中にスピーカーがあって、AMやFMラジオを聞くことはできます。また、USBケーブルでつなげば、スマートフォン内の音源も聞くことができます。つまり、音だけは使えるけど、カーナビなどのモニターが欲しいときはスマートフォンを使わなければなりません。これが「990S」の特徴のひとつとなります。

スマートフォンの置き場候補は4ヵ所

 ロードスターでスマートフォンを使うときに必須となるのがホルダーです。では、どこに装着するのか。その候補となるのは4ヵ所あります。ひとつがセンターコンソールにある横長のエアコン吹き出し口、次にダッシュボードの上、そして、運転席の両側にある2つの丸形のエアコン吹き出し口となります。

矢印の部分が丸形のエアコン吹き出し口

 センターコンソールにある、横長のエアコン吹き出し口であれば、汎用のスマートフォン・ホルダーが数多く販売されています。また、ダッシュボードの上の場合は、吸盤付きであれば、やはり汎用が数多く販売されています。

 で、残りの2つとなる運転席両側の丸形のエアコン吹き出し口。これがクセ者です。丸い吹き出し口に装着できるスマートフォンホルダーは少数派なのです。ただし、ロードスターでは初代のNAから、丸形のエアコン吹き出し口が採用されています。つまり、長くロードスターに乗ってきた筆者にとって、実は丸形のエアコン吹き出し口用のスマートフォンホルダーは長く慣れ親しんだ存在。当然、丸形用のホルダーを所有しています。

 さっそく以前から持っていた丸形用のスマートフォン・ホルダーを装着してみます。ところが、なんてこったい! 装着してみれば、ウインカーなどのレバーとギリギリに。運転の邪魔になってしまいます。しかも、右だけでなく左も同じ。つまり、丸形のエアコン吹き出し口は、ND型のロードスターでは使えないというわけです。

どちらも微妙に運転の邪魔になる……

見やすくて使えるのが
センターコンソールとダッシュボード

 続いて試してみたのがダッシュボードの上のタイプです。製品は吸盤式で、スマートフォンを保持するところがグルリと回って、スマートフォンを垂直にも水平にも表示することができます。ダッシュボードは、表面にシボ加工があって、けっこうデコボコとしています。ところが、最近の吸盤はよくできているんですね。ピタリと張り付いて、びくともしません。長めのUSBケーブルを助手席側から回せば、運転操作の邪魔にもなりません。エアコンの風をスマートフォンが受けないというのも良いところです。

意外とびくともしない

これなら操作の邪魔にもならない

 ただ、気になるのが吸盤の跡がつくかどうか。半日くらいであれば問題はありませんでしたが、半年や1年といった長期間になると、紫外線焼けの可能性もあります。そこが不安点です。

 最後に試したのが、センターコンソールの横長のエアコン吹き出し口への装着です。最初に汎用のお手頃価格の製品を装着しました。悪くはないのですが、吹き出し口からの距離が短く、表示する向きをドライバー側に動かすことができません。そこで、もう少しエアコン吹き出し口から距離があり、しかも向きを変更できる製品を入手。こちらは古くからロードスター用のパーツを開発・販売するズームエンジニアリングの製品です。ロードスター用として販売されているから、当然、寸法的にもぴったり。ドライバー側にスマートフォンを向けることもできます。作りもがっちりしているのでガタガタと揺れることもありません。

ドライバー側に動かせない

向きを動かせる別の製品を購入

しっかり固定されている

 ただし、30cmのUSBケーブルだと、短すぎてシフト操作の邪魔になってしまいました。そこで50cmのUSBケーブルを手に入れて交換。問題をクリアしました。こちらの問題点は、センターコンソールのエアコン吹き出し口がふさがってしまうこと。また、ダッシュボード上と比べると、視線移動が大きくなります。

USBケーブルの長さはいろんなパターンを試すといいかも

 ダッシュボード上とセンターコンソールのエアコン吹き出し口の2つは、どちらも良い点と悪い点があります。甲乙つけがたいのですが、今回は以前のロードスターでも使っていたエアコン吹き出し口用を使うことにしました。良い悪いではなく、慣れ親しんでいたのが選択の理由です。

助手席用のUSB電源とドリンクホルダー

 これで運転手用のスマートフォンの置き場が決まりました。しかし、ロードスターには助手席にも人が乗ります。そこで必要となるのは、助手席の人用USBケーブルです。でも、そこはご安心を。助手席の足元の奥に、なんと12Vの電源ソケットが用意されているのです。私も納車されるまで知りませんでした。

 なので、助手席用に電源ソケット用のUSB端子(カーチャージャー)を装着して、1mのUSBケーブルを使えばOKというわけです。ちなみに、ロードスター990SとSグレードは、ドリンクホルダーは標準で1個しかありません。助手席用はオプション(5500円)となりますので、ご注意を。ただし、上位グレードにはドリンクホルダーが、初めから2つ用意されています。

 また今回、ほかにオプションというか付属品として購入したのは「ブルーアクセントのフロアマット(2万5080円)」「スマートインETC(セットアップ費用込み3万7410円)」「ブラックのホイールナット(6160円)」「LEDバックランプ(9460円)」でした。ETCは、カー用品店などでもっと安く買えるかもしれません。しかしオプションであれば、シートバック後ろにキレイに設置できます。価格よりも、すっきりとした仕上がり優先としました。

 スマートフォンの置き場も決まったことで、ようやく普段使いで不便がなくなりました。ここからが本番の「990S」とのロードスター・ライフがスタートとなります。

■関連サイト

筆者紹介:鈴木ケンイチ

 

 1966年9月15日生まれ。茨城県出身。国学院大学卒。大学卒業後に一般誌/女性誌/PR誌/書籍を制作する編集プロダクションに勤務。28歳で独立。徐々に自動車関連のフィールドへ。2003年にJAF公式戦ワンメイクレース(マツダ・ロードスター・パーティレース)に参戦。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを“分かりやすく”“深く”説明することをモットーにする。

 最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を10年ほど継続中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 自動車技術会会員 環境社会検定試験(ECO検定)。


 
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