5月13日にドコモから「arrowsケータイ ベーシック F-41C」が発売されました。同モデルは、2019年7月から販売されている「arrowsケータイ F-03L」をベースに、電話やメールなどを中心に使う人に向けて、安心して使える機能を強化したモデルです。そのため、エントリーユーザー層が必要としない機能はあえて搭載せず、端末価格は安く抑えられています。ドコモオンラインショップでの価格は、F-03Lが3万1680円で、F-41Cが1万4850円。それぞれの端末は現在併売されているので、どんな使い方が適しているのかを2モデルで使い比べてみました。
背面パネルのデザインは異なるが
操作感はほぼ同じ
サイズは両モデルともほぼ同じ。F-03Lが約133gなのに対して、F-41Cは約132gと軽量化されていますが、どちらも軽くて、片手で楽に操作できるサイズ感です。背面パネルはF-03Lがスタイリッシュなツートーンのデザインを採用しているの対して、F-41Cは上品で落ち着きが感じられるベーシックなデザイン。サブディスプレーはどちらも約0.8型の有機ELで、現在時刻や電池残量、今日の歩数などを確認できます。
ヒンジの左側のボタンを押すだけとパカッと開けるオープンアシストボタンも共通。片手にバッグを持っている状態でも、素早く電話に応答できたり、メールをチェックしたりできます。
ダイヤルキーはそれぞれが独立していて、カチカチとした軽快なクリック感が得られます。下の「1」「2」「3」の3つのお気に入りボタンには、短押しと長押しのショートカットを登録可能。家族や友人の連絡先はもちろん、「画面保存」「最大輝度」など、よく使う機能や設定を割り当てることもできます。
外観での違いは、左側面のUSBケーブルの差し込み口。F-03Lは端子がmicroUSB Type-Bのケーブルを挿せる仕様ですが、F-41Cでは現在の主流であるUSB Type-Cに変更されています。ただし、どちらのモデルにも卓上ホルダーが同梱されていて、そこに立てるだけで充電できるので、本体の差し込み口を開くことはほとんどなさそうです。卓上ホルダーの端子はF-41CがType-Cで、F-03LはType-Bです。
どちらも4Gに対応
3G停波後も使い続けられる
arrowsケータイが発売されたのは約3年ぶり。と聞くと、新しいモデルであるF-41Cのほうが処理速度や通信速度の面で有利と思う人がいるかもしれません。ですが、CPUやメモリーなどのスペック、対応バンドも共通しています。
どちらも3Gと4G(LTE)に対応し、GSMにも対応しているので、国際ローミングも利用できます。4Gは、Band 1(2GHz)とBand 19(800Hz)に対応。仮にこれから4年ほど使って、2026年3月にドコモの3Gサービス「FOMA」が終了したとしても、使い続けることができます。
arrowsケータイ F-03Lは “全部入り”
どんな使い方でも安心
F-03Lは、いわゆる“全部入り”のフィーチャーフォンです。防水・防塵、おサイフケータイ、ワンセグのすべてに対応し、赤外線通信も利用できます。
防水(IPX5/IPX8)と防塵(IP6X)はどちらのモデルも対応していますが、おサイフケータイ、ワンセグ、赤外線通信はF-03Lしか対応しておらず、F-41Cでは利用できません。これらの機能を使い続けたい場合は、F-03Lを選びましょう。
Wi-FiとBluetoothに対応していることもF-03Lのメリット。Wi-Fiは、IEEE802.11b/g/n(2.4GHz)に対応しており、自宅のWi-Fiルーターに接続して、モバイルデータ通信の通信料を抑えられることはもちろん、外出先で公衆無線LANサービスに接続することもできます。また、Wi-Fiテザリング機能も備えているので、モバイルルーターのように使うこともできます。
Bluetoothのバージョンは4.2。対応するワイヤレスヘッドセットを利用できるほか、ほかのケータイやスマホとデータをやり取りする際にも重宝します。
GPSを利用する地図アプリ「ドコモ地図ナビ」を利用できることもF-03Lだけの利点です。F-41CにもGPSが搭載されていますが、取得した位置情報は、緊急通報、カメラで撮影した画像への付加、「イマドコサーチ」だけに利用される仕組みです。
arrowsケータイ ベーシック F-41Cの優位性は
便利な通話機能にあり!
スマホが普及した今なおケータイを使い続けている人の中には「電話とメールしか使わない」という人も少なくないようです。また、スマホを持っていながら、通話用として「ケータイを手放せない」という人もいることでしょう。
arrowsケータイ ベーシック F-41Cには、おサイフケータイ、ワンセグ、赤外線、Wi-Fi、Bluetoothが搭載されていません。しかし、そもそもこれらの機能を必要としない人にとっては、まったく不都合はありません。むしろ、メニュー画面などがシンプルになり、操作がよりわかりやすくなることはメリット。使わない機能がオンになっていて無駄に電池を消耗する、といった心配もなくなるでしょう。なお、USBテザリングやUSB Type-C対応のイヤホンマイク(アナログ型)に対応していますので、ビジネスでも利用できます。
そして、F-41CにはF-03Lにはない電話の便利な機能が追加されています。1つは「迷惑電話対策」機能。電話帳に登録していない電話番号から着信した場合に、その通話が録音され、万一詐欺目的だった場合は、その録音データを家族や知人に聞いてもらって、警察に相談したりできるというものです。
電話をかけてきた相手には、最初に「録音します」という警告が流れるので、詐欺目的の迷惑電話の場合は、すぐに切る可能性が高いでしょう。通常とは違う着信音が鳴り、迷惑電話の可能性があることがわかるので、着信側も応答するかどうするかを判断する時間を持てます。
arrowsケータイには、環境に合わせて相手の声を強調して聞こえやすくする「はっきりボイス」や、年齢に合わせて音質を調整する「あわせるボイス」が搭載されていて、明瞭な音質で通話ができます。F-41Cには、さらに「マスク通話モード」が追加されました。相手がマスクを着用していて、こもった音質で聞き取りづらい場合に、マスク通話モードをオンにすると、聞こえやすい音質に補正される機能です。コロナウイルス感染防止のために、まだしばらくはマスク着用を求められる状況が続きそうです。通話が多い人にとっては、非常に役立つ機能になるでしょう。
なお、「withコロナ」という時代のニーズに合わせて、F-41Cは、より衛生的に使えるように進化しています。外装ケース(側面・背面)が抗菌ボディーと抗ウイルスボディーに対応し、SIAAの抗菌試験に準拠した試験を実施し、認証を取得しているので安心です。
【まとめ】F-03Lは万人向け
F-41Cは超ライトユーザー&ビジネス向け
arrowsケータイ F-03Lは、おサイフ・ワンセグ・赤外線の“全部入り”で、使いやすさにも注力したロングセラーモデル。迷惑電話対策機能はありませんが、通話音質を向上させる機能や通話を録音できる機能も備えています。使い方は人それぞれ。幅広いユーザーニーズに適したケータイといえるでしょう。
一方、arrowsケータイ ベーシック F-41Cは、arrowsケータイ F-03Lから、おサイフケータイやワンセグ、Wi-Fiなど、ライトユーザー層が必要としない機能を省き、迷惑電話対策やwithコロナの時代に抗菌・抗ウイルスと安心して使えるように進化させたモデル。電話やメールをメインに使う人はもちろん、あえて機能を絞りたいビジネスユースにも適しているでしょう。
提供:FCNT
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