当時も先進的だった免震構造を採用 自然災害や停電への備えも充分
建物自体も耐震構造で、基礎部分には15本の免震用積層ゴム、4基の制震用オイルダンパーを設置しており、震度7の地震に耐える。免震用積層ゴムは揺れを縦方向に伝えない役割を果たし、オイルダンパーは揺れを抑える働きを持っている。A棟ができた2006年当時、多くのデータセンターは揺れに耐える耐震構造が中心で、免震・制震システムの導入はまだまだ珍しかったという。
電力に関しては、変電所から本線・予備線の2系統で特別高圧電力での供給を受けており、停電時に向けた電力供給を実現するN+1構成の無停電電源装置(UPS)やディーゼル方式の非常用発電機を用意している。停電時はUPSが稼働し、非常用発電機が回り始めるまでの5分間の時間を稼ぐ。これにより、サーバーへの電力は安定して供給される。「非常用発電機を回すための燃料も48時間分備蓄しています」と伏見氏はアピールする。
また、火災対策としてサーバールームには粒子レベルの煙を検知する高感度な煙センサーを設置しており、万が一の火災も窒素ガスにより、1分以内に酸素濃度を鎮火レベルにまで下げることができる。
東日本大震災のような地震や津波、毎年襲いかかる激しい台風といった自然災害はもちろん、北海道の全道ブラックアウトという事態も起こっているので、こうした自然災害や停電への備えはきわめて重要。その点、カゴヤデータセンターは15年前に建てられたにもかかわらず、立地条件もよく、自然災害や停電にしっかり対応している点に驚かされる。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう