これはプロデューサーを学ぶ新しい教科書だ!
最後に話しておきたいことがありまして。2004年に経済産業省が「プロデューサー育成カリキュラム」というプロジェクトで教科書を制作しています。福原さんと私はデジタルハリウッド大学院の同窓でして、この本を使いながらプロデューサーについて勉強しました。
やがて私は大学で学生に教える側に立ったのですが、有効な教科書がないことに気づきました。前述の本は内容が古くなってしまい使いづらいのです。
そんなときに出版されたのが福原さんの前著『アニメプロデューサーになろう! アニメ「製作(ビジネス)」の仕組み』(2018年)でした。これがまさにプロデューサーになるための教科書のような本だったのです。福原さんがこの本を出してくれてすごくありがたかったです。……とはいえ、そこからあっという間に3年経ちました。まず、本への反響はいかがでしたか?
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福原 色んなところからプロデュースや講演・講義の依頼がありましたし、直近で一番うれしかったのは、最近の名作『オッドタクシー』監督の木下麦さんが「読んでます」と仰っていたことです。でも、3年前とはいえだいぶ内容が古くなっています。そのくらい、この数年の変化は激しいです。
まつもと そうですね。変化の真っただ中なので、たとえば配信ひとつ取っても3年前とは随分変わりました。じつは私、あの本のバージョンアップを待ってるんです。星海社さんからそういった話は……?
福原 ないですね。ない上に、2021年に中国語版を出したばかりです(笑)
まつもと 今回の共著『クリエイターとクライアントはなぜ不毛な争いを繰り広げてしまうのか?』と『アニメプロデューサーになろう』にはどのようなつながりがあると理解しておけばいいですか?
福原 これまでたとえが料理だったのにアレですが、洋服でたとえますと「袖が2本あってボタンがあるのがYシャツだよ」みたいなことが書いてあるのが『アニメプロデューサーになろう!』で、「どんな色のシャツを、どんなふうに着こなせばオシャレに見えるのか?」について書いてあるのが今回の本でしょうか。
まつもと ありがとうございます。この2冊を両方読むと、プロデュースという仕事の専門性が、私が知る限りでもきちんと整理されて書かれていて、かつ今回の本はその専門技術をどう使っていけばいいのかも書かれているのかなと。福原さんの仕事術、世界観みたいなものを垣間見ることができたのかなと思ったりもしました。
福原 もし良かったらお手に取ってもらえたらうれしいなと思います。よろしくお願いします。
まつもと ありがとうございました。
〈前編はこちら〉
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クリエイターとクライアントはなぜ不毛な争いを繰り広げてしまうのか? (星海社 e-SHINSHO)福原慶匡、やしろあずき講談社
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