ソフトバンクは、2021年度通期(2021年4月~2022年3月)の決算説明会を開催。増収増益を果たしたが、モバイル通信事業については通信料値下げが大きく、底は見えつつも2023年度までマイナスの影響が続くという見通しを明らかにした。
2021年度通期の売上高は約5兆6906億円(前年比9.3%増)、営業利益は約9857億円(同1.5%増)と増収増益かつ過去最高益となった。しかし、コンシューマ事業(個人向けのモバイル通信事業)は3%の減益。これを法人事業や好調なヤフー・LINE事業によって補っている形である。
2022年度の予想でもコンシューマ事業は苦戦が続き、営業利益は25%減の予想となっている(全社では1兆円以上を予想)。なお、2021年度のスマートフォン純増数は約165万4000件と、前年度の約179万2000件から減少。同社の宮川社長は「ご心配をおかけした」としたが、第4四半期については約69万契約という純増数で「ソフトバンクらしい数字」と回復傾向をアピールした。
なお、通信料値下げによる影響は2021年度は約770億円だが、2022年度は約900億円とさらに拡大したのち、2023年度は約500億円となり、以降は小さくなる予定。中身としてはソフトバンクブランドから、現在好調なY!mobileブランドへの移行が中心で、端末買い替えタイミングでこの移行が発生するケースが多いが、現在の買い替えサイクルが大体3年。サイクルが一周することで影響が収束するという想定だ。
このように通信事業はしばらく厳しい状況が続くが、5Gについては2022年度に集中投資をして、面を5Gで埋め切ったうえで、エリア展開を一段落させたいと語り、設備投資額は前年度を上回る約4300億に達する見込みとなっている。
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