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ファーストインプレッション

パナソニック、有機ELテレビのフラッグシップ「LZ2000」などを発表、並列スピーカーで音響をさらに強化

2022年05月10日 13時15分更新

スタンダードモデルのLZ1800シリーズ

 LZ1800シリーズは、独自の放熱プレートを使った「Dynamicハイコントラスト有機ELディスプレイ」を搭載(48型を除く)。そして、ドルビーアトモス再生のためのイネーブルドスピーカーを65型、55型に加えて48型にも採用したことが特徴となる。最小サイズの48型でもイネーブルドスピーカーによる立体音響が可能になるなど、さらに魅力を高めた。

 有機ELパネルの駆動は「Dot Contrastパネルコントローラー」、映像処理エンジンはLZ2000と共通となる。映像処理での新機能としては、試聴するコンテンツに合わせて最適な画質が楽しめる「オートAI画質」がさらに進化。放送や映画などの100万を超えるシーンを集めた学習用データベースでAIがディープラーニングを行い、視聴しているシーンを認識する「シーン認識アルゴリズム」を採用。AIが認識したシーンに合わせて、最適な画質処理や音場の調整を行う。

 また、部屋の明るさなどを認識するセンサーを色温度センサーに改善し、部屋の明るさだけでなく照明の色温度に合わせて画質を最適化する機能も加わった。外光が入る明るい昼の部屋ではより明るく見やすい映像に、夜は照明に合わせた色温度で豊かな色再現を楽しめるなど、環境に合わせた画質の最適化も万全だ。

55型のTH-55LZ1800

 また、4Kコンテンツの再生をさらに高精度化。映像を部分ごとに解析するだけでなく、前後のフレームも参照することで、ディテールを高めながら、ノイズを抑えることが可能になった。パッケージソフトや動画配信サービス、テレビ放送など、さまざな4Kコンテンツをより優れた映像で楽しめるようになっている。また、HDR映像の明るさ感を向上する「AI HDRリマスター」は「HDR10+」のコンテンツにも対応。HDR10+の持つダイナミックメタデータも活用し、よりコントラスト感の高い映像を再現する。「HDR10」コンテンツでもダイナミックメタクリエーションに独自の処理を加えることで、さらに高コントラストな映像を再現できる。

 このほか、動画配信サービスのNetflix用の「Netflix画質モード」は、従来は暗室向けのものだったが、周囲の明るさに連動するように改善された。これにより、明るい部屋でもNetflixの意図する映像が楽しめるようになった。リモコンは新デザインとなり、リモコン下部の動画配信サービス用のダイレクトボタンは8個も用意された。主要なサービスをボタンひとつで呼び出せるようになっている。そして、地震などによる転倒に強い、転倒防止スタンドもLZ2000、LZ1800シリーズのどちらにも採用するなど、使いやすさや安心設計も万全だ。

付属のリモコン。下部には動画配信サービスのボタンが8個用意されており、主要なサービスを網羅している

スタンドありのサイズと重さは、
TH-77LZ2000が、およそ幅172.3×奥行35×高さ107.9cmで重さが約51kg。
TH-65LZ2000が、およそ幅144.8×奥行34.8×高さ91.6cmで重さが約29.5kg。
TH-55LZ2000が、およそ幅122.7×奥行34.8×高さ79.2cmで重さが約24.5kg。
TH-65LZ1800が、およそ幅144.8×奥行30.3×高さ88.9cmで重さが約24kg。
TH-55LZ1800が、およそ幅122.7×奥行30.3×高さ76.5cmで重さが約21kg。
TH-48LZ1800が、およそ幅108.9×奥行25×高さ67.6cmで重さが約21kg。

 チューナーは4K×2、地デジ・BS・CS×3。端子は、地上デジタル端子、BS・CS端子、ビデオ入力×1、光デジタル音声出力端子×1、ヘッドホン/イヤホン端子×1、LAN端子×1、HDMI×4、USB端子×3(1端子のみUSB 3.0対応)。

TH-65LZ2000の画質・音質を先行レビュー

 TH-65LZ2000について画質と音質を体験する機会があったので、そこでインプレッションをレポートしよう。

 まずは画質だが、映像の明るさは確かにワンランク向上している。従来までは車のヘッドライトのような局所的な強い光がしっかりと描けているイメージだった。一方、LZ2000では昼間のシーンのような画面全体が明るいシーンでの明るさ感も向上しており、映像全体の精細さまで高まったように感じる。そして、色は一層鮮やかになった。新しいパネル制御技術で特に青色の再現性が向上したとのことだが、青色だけでなくあらゆる色の鮮やかさが増し、より色彩感豊かになっている。晴れた空の白い雲などぜんたいに真っ白になりがちな映像でも雲の陰影がしっかりと描かれるなど、パナソニックが得意とする階調性の豊かさがさらに完成度を増してきている。

 しかも、明るいシーンだけでなく、暗いシーンでも暗部の再現性が実に豊かだ。暗部の階調を丁寧に描くだけでなく、真っ黒くが浮き上がってしまうようなことない。締まった黒と鮮やかな白、そして中間の色彩の豊かさによって、実に生き生きとした映像になっている。非常に優れた実力だ。

 音質については、ラインアレイスピーカーの搭載でよりクリアで力強いサウンドになったことがわかる。65型でフロントスピーカーに16個ものユニットを使用する贅沢な構成だが、その成果は確かにあり小さな音も鮮明でしかも大音量では厚みのある音が実体感豊かに現れる。音の定位や粒立ちもよく、内蔵スピーカーとは思えない音質だ。そしてドルビーアトモスのサラウンド再生も包囲感や立体感も十分。テレビの内蔵スピーカーとしては十分以上の実力で、ワイヤレスリアスピーカーなどをオプションで用意してほしいと思ってしまう。

 画質・音質もより優れたものとなり、テレビ機能としてももう完成の域にある。映画はもちろん、動画配信サービスやゲームなども幅広く楽しみたい人にとって、ぜひ注目してほしいモデルだ。

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