今年の6月21日で、シリーズ誕生から35周年を迎える日本ファルコムの人気アクションRPG「イース」。今年の2月24日には、シリーズ最新作の低価格版であるPlayStation 4向けソフト『イースIX -Monstrum NOX- スーパープライス』(以下、イースIX)が発売された。
ここでは、しばらく「イース」シリーズから離れてしまって人、もしくはまだ本シリーズをプレイしたことのない人に向けて、最新作の『イースIX』の魅力をお届けするとともに、シリーズの歴史も簡単に触れてみよう。
PS4「イースⅨ-Monstrum NOX-」TGS2019ver. デモムービー
「イース」シリーズとは?
まずは、「イース」を知らない人のために、簡単にシリーズの説明を。「イース」シリーズは、日本ファルコムが1987年6月21日にPC-8801で第1作を発売したアクションRPG。赤毛の冒険家、アドル=クリスティンを主人公に、ゲームでは彼が体験したさまざまな冒険が描かれる。1つの作品で1つの地域での冒険が描かれ、基本的に一話完結となっている。
当時のPC向けのRPGは、謎解きがノーヒントだったり、バランスが厳しすぎたりと、難易度が高く挫折する人も多かった。そんな中、「RPGは“優しさ”の時代へ」と広告で銘打ち、誰でも楽しめる(クリアできる)“優しさ”を全面に押し出して登場したのが、本シリーズだ。
ただ、“優しい”と言っても、攻撃を出していれば簡単に敵を倒していけるといった難易度的な“易しさ”ではなく、メッセージでさりげなく謎解きのヒントを出したり、バトルではレベルを1つ上げただけで勝機が見えたりといったような、プレイヤーのテクニックや考える余地を残したものになっていた。ゲーム中で描かれる物語の魅力もあるが、こういった部分が当時のゲームファンを魅了し、熱中させたのだろう。
年月を通じて、初期の制作陣からスタッフは変わっているものの、「イース」シリーズはこの部分をしっかり踏襲。さらに、家庭用ハードを主軸に移してからは多彩な要素を追加し、より遊び込める内容になっている。
【主なシリーズ作品】
●イース Ancient Ys Vanished Omen(1987.6.21/PC-8801mkII)
舞台:エステリア
●イースII Ancient Ys Vanished The Final Chapter(1998.4.24/PC-8801mkII)
舞台:イース
●イースIII WANDERERS FROM Ys(1989.7.21/PC-8801mkII)
舞台:フェルガナ地方
●イースV -失われた砂の都ケフィン-(1993.11.19/スーパーファミコン)
舞台:サンドリア
●イースVI -ナピシュテムの匣-(2003.9.27/Windows)
舞台:カナン諸島
●イース・オリジン(2006.12.21/Windows)※
舞台:エステリア
●Ys SEVEN(2009.9.17/PlayStation Portable)
舞台:アルタゴ
●イース セルセタの樹海(2012.9.27/PlayStation Vita)
舞台:セルセタ地方
●イースVIII -Lacrimosa of DANA-(2016.7.21/PlayStation Vita)
舞台:セイレン島(ゲーテ海)/エタニア王国
●イースIX -Monstrum NOX-(2019.9.26/PlayStation 4)
舞台:グリア・エルトリンゲン地方
※イース・オリジンは700年前のエステリアを舞台にした外伝作。アドルが主人公ではなく、イースの神官の祖先となる
《監獄都市》バルドゥークで展開する、アドルと「怪人(モンストルム)」たちの物語
『イースIX』は、グリア・エルトリンゲン地方にある《監獄都市》バルドゥークが物語の舞台。相棒のドギとともにこの街を訪れたアドルは、とある事情からグリアを属州とする帝国ロムンの兵に囚われ、バルドゥーク監獄に収監されてしまう。その監獄で謎の女性、アプリリスと出会うことで、アドルは「怪人(モンストルム)」たちにまつわる事件に関わっていくことになる……。
本作は、バルドゥークという街が舞台になるシリーズでは珍しい作品。1つの街をシームレスに移動できるなど、オープンワールド風な作風になっている(ただし、最終的に街中はシームレスで全域移動できるが、ゲーム開始時は街の各所に封印が施されており、物語の進行に従い徐々に活動できるエリアが広がるようになっている)。
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