若者から大人まで自宅にはWi-Fiあり。みんなパケ死はしたくない
「光回線なんて要らない。スマホで十分」……実際は少数派
スマホでネット生活、実際の割合は?
「テレビ番組はネットで見ればいいからテレビは要らない」「YouTubeは毎日見るけれどテレビは時々」などという話を若者から聞く。10~60代男女を対象としたWACARU NETの「実家・自宅のネット環境に関する調査レポート」(2022年4月)を見てみよう。
実家にネット環境(Wi-Fi)がなくスマホのみである割合を調査したところ、実家住みは2.0%、実家に住んでいない場合は23.1%となった。ほとんどが固定回線(光回線)の環境があり、ポケットWi-Fi(WiMAX)は5%前後となった。
次に、世帯主の年代別に実家にネット環境(Wi-Fi)がない割合を調査したところ、世帯主が40~60代では5%前後だったのが、70~90代では約20~40%程度と、世帯主の年齢が高いほどネット環境(Wi-Fi)なしの割合が高くなる傾向があった。年齢が高くなるほどネット利用率も下がるため、当然の結果と言えるだろう。
スマホ回線のみは1割に満たない
実家に住んでいない人を対象に、実家のネット回線の満足度を聞いたところ、固定回線は「満足」「まあまあ満足」を合わせると86.5%と8割以上が満足していた。一方、ネット回線がなくスマホのみの場合は「やや不満」「不満」を合わせて76.2%が不満を抱いていた。
具体的には、「格安スマホは田舎でつながらず固定回線がないと厳しい」「ギガが減ってパケット代がかさむ」「通信速度が遅い、時間帯によってつながらない」などの不満が挙がっている。
なお、年代別に「実家に住んでおらず、かつ自宅にネット環境(Wi-Fi)がない割合」を調べたところ、ネット環境なし(スマホのみ)は6.6%、ポケットWi-Fi(WiMAXなど)は10.0%となった。スマホのみで生活している人は1割以下で非常に少ないわけだ。
Wi-Fi環境が整っていないと、動画視聴に留まらずアプリやファイルのダウンロード、オンラインゲームなど多くの事項にストレスを感じることになる。若者世代だけでなく、その上の現役世代にもネット環境は必須となっているのだ。
著者紹介:高橋暁子
ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki
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