Microsoft Analyst Strategy Days 2022
アジア太平洋地域のスタートアップ企業を対象にしたイノベーション促進への取り組みを紹介 「Empowering Startups and Founders in Asia」を開催
アジア各国のスタートアップによるディスカッション
パネルディスカッションでは、Microsoft for Startups Founders Hubに先行して参加した各国の企業が登壇した。
調達やサプライヤーのサステナビリティ認証に関する課題解決を支援する Givvable の共同創業者であるナオミ・バウエル (Naomi Vowels) 氏は、「テクノロジーとデータが私たちのビジネスの中核になる。これまで700社の企業をレビューするのに1年間かかっていたものを、マイクロソフトのAI技術を活用して、7秒に短縮した。利用者はIT部門が不要で、最新レポートが見れる。起業に際しては、安定した仕事の環境を辞めて、ゼロから仕事をはじめ、すべてに責任を持つことに不安だった。しかし、私の経験から、起業するのではあれば早く始めた方がいい」とアドバイス。
営業担当者と顧客とのリアルタイムの会話を支援する会話インテリジェンスプラットフォームを提供するSalesken の共同設立者兼CEOであるスルガ・ティラカン (Surga Thilakan) 氏は、「勤務していた投資銀行を辞めたときに、周りからなぜ恵まれた仕事を辞めるのかと言われた。だが、AIの力を活用して、人の能力を高める仕事にワクワク感を持った。コロナ禍では、多くの企業がリモートで営業する必要が生まれた。そうした企業に対して、ソリューションを提供することができた。DynamicsやTeamsなどのマイクロソフト製品を活用し、オファーを利用しながら開発、販売することができた。起業は、難しそうに思っても、心に従っていけば、点が線になる」と発言。
海外向けECサービスプラットフォームを提供するShopastro の共同創業者兼CTOであるヤンチャオ・リー (Yanchao Li) 氏は、「ウェブサイトの開設やマーケティングで苦戦していた中国の小売店を支援したいと考えた。最も貴重なお客様にフォーカスすること、そのお客様の課題にフォーカスすることが大切である。長期的な視野を持った社員を育成することも重要である」と述べた。
また、トヨタ自動車との共創により、知財DXプラットフォーム「Proof Chain of Evidence(PCE)」を構築したScalarの代表取締役CEO兼COOである深津航氏は、「ブロックチェーンを活用して、データの信頼性を高めたいと考えた。課題はこのテクノロジーを投資家に説明する難しさにあった。事例がないなかで、最初のユーザーを見つけるのにも時間がかかった。説明しやすい分野から始めた方がいいと思った時期もあった。日本には、『自分よし、相手よし、世間よし』という、近江商人の『三方よし』の哲学がある。自分自身だけでなく、顧客も、世の中にも良いものを提供していきたい」と語った。
一方、食糧不足や廃棄物問題に取り組むことを目的としたB2Bプラットフォームを提供するSavourのカトリーナ・リー (Katrina Lee) CEOは、「Microsoft for Startups Founders Hubは、ツールやクラウドの提供だけでなく、メンターとのつながりやツールの効果的な活用方法、マーケティングの強化に関する提案や支援を行ってもらえる点が強みだ。また、スタートアップ企業は資金がないことが多いが、最初に必要最小限のアプリを開発する際に、クラウドのクレジットを利用でき、ステージごとにアップグレードできる仕組みを提供している点が素晴らしい」とコメント。
ニュージーランドのクリーンテック企業であるPhytracのオーウェン・ダービー (Owen Darby) CEOは、「Microsoft 365は日常的に使っていたが、マイクロソフトの支援により、Power Apps、Power BI、Power Automateの活用が増え、専門的な知識を持たない人でも、ノーコード/ローコードによるソリューション開発に携わることができている。Microsoft for Startups Founders Hubを通じて、自社の人材リソースで様々なことが行えるようになっている。Microsoft for Startups Founders Hubに参加したいと考えている企業は、まずは無償で登録して、いくつかの製品を利用することを勧めたい。ビジネスにどう役立つか、どう価値を高めることができるかを考えることができる」とした。
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