あなたの停電対策、大丈夫?
3月16日、福島県沖で最大震度6強の地震が発生しました。特徴的だったのは、地震発生後に広い範囲で停電が起きたこと。ブラックアウトを防ぐための処置ではありましたが、東京電力パワーグリッドの発表では関東地方だけでも200万軒超が停電しました。
そして地震に伴う発電所の運転停止が続いていた3月22日には、東京電力管内の電力需要を賄う供給力が十分に確保できない恐れがあるため、政府が初めて「電力需給ひっ迫警報」を発令。都内でも雪が降る寒さのなか、関東地方では節電が呼びかけられました。
短い期間に二度、電力需給の危機に晒されたことで『我が家の防災、特に停電対策を見直そう』と思った人も多いのでは? そこで今回は、自宅が停電を乗り越えられるよう、準備しておきたいグッズやヒントをご紹介。
【初の「電力需給ひっ迫警報」】
— NHK広報局 (@NHK_PR) March 22, 2022
東京電力の管内では22日の電力需給が極めて厳しい状況だとして、政府は初めて「電力需給ひっ迫警報」を出しました。
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かんたん停電対策その1:スマホのバッテリー消費を抑えたい!
・画面の明るさがバッテリー消費に直結
最もバッテリーを消費するのは画面の明るさ。視認できる範囲で暗く設定することが重要です。また、アプリやWebサービスの通知機能をオフにしておかないと、通知が届くたびに画面が点灯してしまうので注意。
・iPhoneなら低電力モードを使おう
「設定」→「バッテリー」の順にタップし、「低電力モード」をオンに。低電力モードに切り替えると、画面右上のバッテリーアイコンが緑色から黄色に変わります。なお、Androidスマホにも同様の省電力機能が付いています。
・低電力モードの中身は?
iPhoneの場合、以下の機能などが制限されます。5G通信/自動ロック/ディスプレーの明るさ/リフレッシュレートが最大60Hzに/一部のビジュアルエフェクト/iCloudへの画像自動保存/自動ダウンロード/メール取得/アプリのバックグラウンド更新。
ちなみに、携帯電話の基地局は非常用電源を備えており、たとえ停電になっても数時間はその機能を維持しますが、その数時間を過ぎても停電が回復しない場合は残念ながら電波は止まり、スマホも通信通話ができなくなってしまいます。
そのときは画面に「圏外」の文字が表示されますので、明らかに圏内のはずなのに表示が圏外になった(通信通話ができなくなった)ときは、基地局の電力が尽きたと判断して、できるだけスマホの電源をオフにするかiPhoneならば機内モードをオンにしましょう。
かんたん停電対策その2:停電からテレワーク作業を護るには?
・デスクトップパソコンを利用しているならUPS(無停電電源装置)は必須
ノートパソコンならよほどバッテリーが劣化していない限り問題ありませんが、デスクトップパソコンは問答無用で電源が落ちてしまいます。テレワーク中の業務データが消えてしまったら目も当てられません。そこでおすすめしたいのが「UPS(無停電電源装置)」の導入。
これは巨大な外付けバッテリーとでもいうべき代物。コンセント→UPS→パソコンとつなげておくことで、停電時にデスクトップパソコンなどバッテリーを持たない機器が突然電源喪失してしまうことを防いでくれます。とはいえ、そのまま利用し続けられるわけではありません。あくまで正式なシャットダウン操作を終えるまでの時間を稼いでくれるのみです。
それでも作業データを喪失してしまうアクシデントから逃れられるだけで十分と言えます。なお、UPSは複数口を持つ製品が一般的かつ瞬時停電や電圧低下対策にも役立つので、パソコンのほかNASやルーター、そしてデスクトップパソコンの操作に必要な外付けディスプレーも忘れずにつなげておきましょう。
かんたん停電対策その3:自宅に常備したい停電グッズ
・モバイルバッテリーは必ず持っておきたい!
今回の停電でも「真っ暗な部屋でスマホ片手に情報収集した」という人は少なくないでしょう。災害時のスマホはライフラインと言っても過言ではありません。ですから自分のスマホを2~3回充電できるモバイルバッテリーは必ず自宅に保管しておきましょう。停電時に空では意味がないので、たまに充電&使用確認しておくと◎。
そして災害時には、携帯電話の基地局が生きているうちに、LINEなど家族や親族とつながれるSNSに現状報告および「この後電波が止まって連絡不能になるかもしれない」旨の書き込みをおすすめします。
・家族と住んでいるならポータブル電源という選択肢も
スマホやタブレットなら数十回充電できる大容量、そして出入力の選択肢が豊富なこと(特にコンセントを直接挿して家電を動かせる)がポータブル電源の強みです。キャンプや車中泊を趣味としている人にはおなじみの機器ですね。
たとえば、真冬の夜に停電が起きてしまっても、ポータブル電源があればスマホを充電しつつ、電気毛布を(弱設定なら)数時間使えるでしょう。
そしてポータブル電源と一緒に保管しておきたいのが、コンセントの延長ケーブルです。ポータブル電源は動かせますが、家電は必ずしも動かせるとは限りませんので、その間をつなぐ延長コードは必須です。部屋をまたいで使うなら10m以上のロングタイプが便利です。
そしてクルマを所有しているご家庭には、「シガーソケットとポータブル電源をつないで充電できるケーブル」を1本備えておくことをおすすめします。これさえあればクルマでポータブル電源を充電できるようになりますから、長丁場の停電でも安心できるでしょう。同様にポータブル電源とつながるソーラーパネルも(天候に左右されますが)停電が長引くなら持っておいて損はありません。
ポータブル電源とその周辺機器のメリットは、災害時の避難先でも電源を確保できることです。たとえ『避難先がいっぱいで自家用車に寝泊まりするしかない……』という状況でも、クルマのシガーソケットとソーラーパネル経由でポータブル電源をいつでも充電できます。なお、PHEV車ならば専用ケーブルでクルマから自宅に電気を供給することも可能です。
かんたん停電対策その4:災害に便乗したネット詐欺から家族を護る
・災害時には悪意ある人たちの罠に注意
直接の対策ではありませんが、災害に便乗した悪意ある行為にも注意が必要です。架空の募金を募る詐欺サイトをはじめ、防災アプリのダウンロード先を装ってマルウェアを感染させる手口や、災害時に開放されるWi-Fiサービスの偽物といった罠が考えられます。
災害時には衝撃的な文言や画像・動画を目にすることが多くなり、衝動的になったり怖がったりしてしまいがちですが、そんな状況を悪意ある人たちは的確に狙ってきます。不審なメッセージは無視することが一番の対策になります。
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