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第44回NEDOピッチ「アグリテック ver.」レポート

月面でも農業を可能に 次世代のアグリテック技術をもつスタートアップ5社

2022年03月31日 11時00分更新

高度な自律走行技術をもつ農作業ロボット
株式会社レグミン

 株式会社レグミン 代表取締役の成勢卓裕氏からは、「自律走行型農作業ロボット」に関してのプレゼンテーションが行われた。

 元々日本アイ・ビー・エムでコンサルティング業務に従事し、中小企業の課題を感じたことで起業、独立したという。現在は、農薬散布に特化したロボットを製造開発しており、畝の形状に沿って移動したり、GPS誘導で次の畝に移動したりできるものだ。

 農業従事者数は、高齢化の一途を辿っており、人手不足が深刻となっている。農薬散布に関しては、人件費やスキルによるムラ、農薬吸引の健康的な影響や防護服の暑さなど大きな課題となっていた。農薬散布ロボットは、これら課題を解決し、ネギ畑の場合7畝同時に散布可能で、今後散布容量の増加や散布アームの伸縮などにも対応したいとしている。

 高度な自律走行に関して特許を取得しており、1、2cm程度の誤差で畝を認識できるという。

 現在は、農薬散布のサービスを提供しておいり、従来型の小型動噴機での散布より3、40%ほど短時間で、大型の散布機械よりもコストメリットがあると実証された。今後は、より効率化に向けた課題抽出を行いつつ、農薬散布以外の収穫や調整などの作業、農業者のニーズに応じた作業支援サービスの提供なども取り組んでいきたいと締め括られた。

 どのような企業とのマッチングを求めているかという質問には、農機具メーカーや土建築系の会社向けへのロボット設計に興味のある会社とのマッチングを希望していると回答。現状の課題としては、今はネギを対象にしているが、ブロッコリーなど対象の種類を増やしてゆきたいと思っているので、対象が増えると機械の加工も異なってくるので製造や工作で協力してもらえる企業も探しているという。

 畝の幅など地形に応じた調整はどうしているのかという質問には、幅は調整できるように作っているので畑に合わせて調整が可能で、地形に関してはセンサーが検知しやすいガイドを設けるなども試しているという。

 対象となる農作物に関しては、今会社があるのが埼玉県深谷市ということもあり、ネギ・ブロッコリー・キャベツ等の露地野菜に対応している。トウモロコシなどの背が高いものや、カボチャなど畝にはみ出して成長するものは、ロボットと干渉する可能性もあって今後の改良が必要と思われると課題が挙げられた。

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