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iPhoneが1円は日本だけ、ヨーロッパでは再生品販売が進む

2022年03月24日 12時00分更新

ヨーロッパで販売されているiPhone XRのリサイクル品

 SDGsがあちこちで叫ばれている今、スマートフォンの再利用ということで中古製品の販売が各国で盛んになっています。特にヨーロッパでは大手企業が中古品を新品同様に再生し、定価よりも安く販売しています。日本では家電量販店のiPhoneのバラマキが恒常化しているため、海外のこの手の動きに興味を持つ人は少ないかもしれません。しかし、まだまだ使える古いスマートフォンをきちんと再生して販売することは地球環境を考えると必要な動きでしょう。

スペインの家電量販店で売られる中古品再生スマホ「Renewd」

 今回紹介するのはオーストリア発の「Renewd」ブランドのスマートフォン。中古品をメーカーパーツを使って新品同様に再生して販売しています。自社による2年保証もあるので故障時の対応も安心。販売国はオーストリア、ベルギー、チェコ、クロアチア、エストニア、フランス、ドイツ、ハンガリー、ラトビア、リトアニア、オランダ、ポーランド、スロバキア、スロベニア、スペインの15ヵ国。各国の家電量販店や、オーストリアでは「Three」などのキャリアも販売店になっています。

Renewdの販売国と、オーストリアの取扱店舗

 Renewdが扱う製品はアップル(iPhone、iPad、Apple Watch、MacBook)、サムスン電子のGalaxy、グーグルのPixel。中古で出てくる数を考えるとこれらメジャーなメーカーの製品になるようです。価格は2022年2月時点で「iPhone 11」が519ユーロ(約6万8000円)、「iPhone XR」が439ユーロ(5万8000円)。格安ではありませんが、新品同様の整備品と考えるとこれくらいになるのでしょう。

Renewdの取扱製品。今後はメーカーを増やしてほしいところ

 無保証の中古品も各国で多く販売されており、価格はRenewdのものより安いでしょう。Renewdは中古再生品を安く売るということよりも、地球環境を考えた製品を送り出し、それに賛同する人に買ってもらう、というビジネス展開をしているようです。

再生品により水の使用の削減や二酸化炭素排出量を減らすことができる

 Renewdは製品のパッケージも環境に優しい「リサイクル素材」「リユース可能素材」を採用しています。世界最大のモバイル関連イベントである「MWC Barcelona」でも、2022年は環境問題がトピックの一つとして大きく取り上げられていました。これからはモバイル業界全体で地球環境をより真剣に考えていく時代になるのです。

Renewdのスマホのパッケージ

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