学校主導のオンライン学習も拡大傾向
低学年でもテレビ離れ!? 勉強も遊びもネット&タブレット
小学1~3年生のネット利用状況は?
コロナ禍で、子どものネット利用状況にはどのような変化があったのか。公文教育研究会の小1~小3の子がいる世帯の父母を対象とした「家庭学習調査2021」(2022年3月)を見てみよう。
テレビを見る時間を聞いたところ、「全くない」(6.3%)、「30分未満」(17.5%)と30分未満が23.8%となり、「2時間以上」は15.7%に。昨年度の調査結果と比べると、テレビを見る時間は減少している。また、30分以上ゲームをするという回答の合計は52.4%となり、昨年度の調査結果(52.1%)とほぼ同様だった。
オンライン学習拡大は保護者も歓迎
オンライン学習実施の状況を聞いたところ、「学校主導も自主実施も行われている」が25.6%となり、昨年度の調査結果(8.4%)から大きく増加した。「いずれも現在は実施していない」は42.5%で、前回とほぼ同じだった。
また、教育においてICTが拡大していることに対する評価を聞いたところ、「非常に好ましい傾向である」(7.2%)、「まあ好ましい傾向である」(36.6%)と好ましいとの回答が43.8%に。一方、「あまり好ましい傾向ではない」(7.7%)、「まったく好ましくない傾向である」(4.9%)と好ましくないとの回答は12.6%となり、好ましいと感じる割合が高くなっている。
感染拡大時、オンライン学習を取り入れる学校は多くなった。現在も、学級閉鎖時や登校が不安な子は家庭でオンライン学習が受けられるなど、大いに活用されるようになっている。コロナ禍が始まったときの一斉休校時にはこのような環境がなく、学びが止まってしまう状況だったが、これが改善され、保護者も歓迎していることがわかる。
家庭端末では娯楽、学校端末では学習
家庭におけるスマート端末の所有と子どもが普段利用している端末についても聞いたところ、子どもが利用している端末は、ゲーム機(48%)が最多で、タブレット(44.2%)が続いた。スマホやパソコンは家庭にあるものの、低年齢の子どもたちはあまり利用していないようだ。
家庭におけるスマート端末の利用実態は、家にある端末では、「ゲーム」(56.9%)と「動画サイトの視聴」(39.7%)が多く、学校配布の端末では、「学校や塾の宿題・課題」(51.2%)と「学習アプリや学習サイトの視聴」(40.9%)が多くなった。家の端末では娯楽、学校の端末では学習という使い分けが定着しているのだ。
もはや、子どもにネットを使わせない時代は完全に終わったと言えそうだ。子どもにおけるネット活用は大きく進んでおり、娯楽も学習もネットやICT機器を活用するようになっているのだ。
著者紹介:高橋暁子
ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki
週刊アスキーの最新情報を購読しよう