M1 Ultraなど現状打破のための魔法が飛び出た【山田祥平】
3月8日(現地時間)に発表されたアップルの発表会について、アスキーの執筆陣に考察してもらいました。
今回は、PC/モバイル系ジャーナリストの山田祥平氏が、M1 Ultraを考察します。
今まででもっともバーチャルなイベントだったんじゃないだろうか。そのバックグラウンドで、いったいどれほどの人と人との接触があったかのかは知る由もないが、画面で見えている部分については究極のバーチャル・ディスタンシングが確保されていた。
と、妙なことを思いつつ眺めた今回のイベントだったわけだが、新iPhone SEに最新のA15 Bionicチップを載せたり、新iPad AirにiPad Proと同じM1チップを搭載するなど、大盤振る舞いのようだが、実のところは、アップルといえども半導体を思うように確保できない現状をなんとかするための苦肉の策なのかもしれない。
さらには2個の「M1 Max」を「UltraFusion」で接続した「M1 Ultra」をデビューさせるといった荒技を見せた。今回は、ここが興味深かった。内蔵GPUをディスクリートGPUを超える存在にするには、もっとも早道だったんだろう。「現在利用可能な最速のMacグラフィックカードよりも最大80%高速なグラフィックパフォーマンス」を発揮する「M1 Ultra搭載Mac Studio」などは、ついてくる付加価値を考えれば、GPUの高騰化の状況が続いていることを考慮すれば、むしろ割安なイメージさえある。
現状打破のための魔法。今回のアップルイベントにはそんな印象を持った。
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