2025年の本番運用に向けて開発中

グリッドが北海道電力と協業、AI・デジタルツインで火力・水力発電運転計画最適化へ

2022年03月07日 18時00分更新

グリッド、北海道電力と「火力・水力発電運転計画最適化」で協業

　グリッドは3月7日、北海道電力と協業しAI最適化技術による火力・水力発電の運転計画最適化の開発を開始すると発表した。

　北海道電力では、火力発電による発電コストを最小化するために、水力発電によって火力発電量を抑制させる運転計画最適化の取組みを行なっている。しかし、発電機の運転計画は膨大な組合せ数に及ぶ上、かつ制約条件を考慮しながら策定しなければならないため、従来の人手によるオペレーションではその複雑さから、属人的な意思決定となりがちであることと、業務負担の重さが課題になっているという。

　さらに、水力発電の計画は各発電機によって水力効率や使用量が異なるため火力発電力を抑制する時間に合わせて、効果的に水力機を運転することは難度が高く、CO2排出量削減のさらなる追求が困難だった。

　このような課題を解決するために、北海道電力のエネルギーノウハウとグリッドの社会インフラに特化したデジタルツイン・AI最適化技術を融合し、AIによる火力・水力発電運転計画最適化・自動化の実証実験を2021年より進めている。

　すでに実証実験では、人手では2時間程度かかる計画を十数秒で策定できることを確認したという。さらに、立案された計画は全ての制約条件を満たしながら、1日の運転コストを3％削減できる効率的な運転計画となっており、火力発電コストの低減と共にCO2削減が期待されている。

　今後は2025年の本番運用に向けて、さらなる最適化の精度向上とともにシステム開発を目指し、発電計画最適化によるCO2削減を最大化していくという。

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