5G対応で6400万画素の高性能カメラ搭載のコンパクトスマホ「Rakuten Hand 5G」
楽天モバイルのオリジナル端末として2020年に発売された「Rakuten Hand」は、5.1型ディスプレーを搭載し、横幅は63mmと狭く、片手でもラクに持てるサイズのスマートフォンだ。そのRakuten Handを5Gに対応させたモデルが今回紹介する「Rakuten Hand 5G」である。一見すると両者の差はないように見えるが、内部は大きくパワーアップしている。
Rakuten Hand 5Gの大きさはRakuten Handと変わらず、約63×138×9.5mm。最近のスマートフォンの中でも別格に小さいといえる。ディスプレーサイズは5.1型で、これより小さいスマートフォンはバルミューダの「BALMUDA Phone」とピーアップの「Mode1GRIP」など数は少ない。またこのサイズで5Gに対応しているのもうれしい仕様だろう。
ディスプレーはわずかにカーブしており、背面側も同様に曲面仕様のため、より握りやすい形状になっている。ボディーは樹脂製だが安っぽさはなく、適度な重量感も悪くない感じだ。なお重さは138gで、前モデルRakuten Handの129gより若干増えている。とはいえ200gを越えるスマートフォンが多い昨今の状況の中、この軽さはバッグなどに入れておくと持ち運んでいることを忘れてしまいそうだ。
楽天モバイルのオリジナルスマートフォンはeSIMのみに対応し、物理的なSIMカードは利用できない。同社は世界初の完全仮想化クラウドネイティブモバイルネットワークを構築しているが、オリジナルスマートフォンも他社に先駆けeSIMのみの対応としている。そのためRakuten Hand 5Gは、本体側面を見てもSIMカードスロットがない。スロットを1つ廃止したことで防水機能も実装できるという利点もあるだろう。
本体上部を見ると、Rakuten Handにあった3.5mmイヤホンジャックは廃止された。このクラスの製品であれば残してほしいところでもあるが、Bluetoothタイプの小型イヤホンも安価な製品が出てきている今、レガシーなインターフェースの廃止は納得できる。なお、イヤホンジャックがなくなったこともあり、防水防塵性能はRakuten HandのIP52から、Rakuten Hand 5GはIP68と大幅に高まった。
本体下部にはUSB Type-C端子とスピーカーが並ぶ。本体サイズが小さいことから音楽再生の性能は必要最小限といったところだが、スピーカーフォンにして通話しても十分相手の声を聴くことができた。
Rakuten Hand 5Gとサイズが同じRakuten Handの大きさを比較してみた。フロント側から見ると確かに大きさは変わっていない。5.1型(1520×720ドット)のディスプレーサイズは変わっていないが、Rakuten Hand 5GはAMOLEDを採用しており、Rakuten Handの有機ELよりも性能が高まっている。
背面側もデザインは変わっていないが、カメラ性能が高まったことによりレンズ周りの形状が若干異なっている。Rakuten Hand 5Gは6400万画素のメインカメラと、200万画素の深度測定のデュアルカメラを搭載。Rakuten Handの4800万画素+200万画素深度測定より画質が高まった。なお、両者を手に持ってみるとRakuten Hand 5Gのほうが若干重く感じられる。しかし、9gの重量アップは気になるほどではない。
Rakuten Hand 5Gのプリインストールアプリはかなり多く、楽天関連のものが数多く入っている。楽天のエコシステムを使うことを考えた設計になっており、スマートフォンだけではなくショッピングやオンラインサービスも楽天ばかりを使っているというユーザーには便利だろうか。チップセットはSnapdragon 480と5Gスマートフォンとしてはエントリークラスだが、ディスプレーサイズが小さいこともあってハードなゲームなどには向いていない。スマートフォンとしての性能は高いわけではないが、日常生活のツールとして使う分には十分だろう。
小型のエントリーモデルながらも、指紋認証センサーは本体側面や背面ではなくディスプレー埋め込み型だ。実際に使ってみると指紋登録時はディスプレーサイズが小さいためか、指紋をタッチする回数がほかのスマートフォンより多めだった。しかし一度登録してしまえばディスプレーに指先をタッチすると即座に解除される。指紋認証の感度は良好だった。
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