みなさま、こんにちは。横浜髙島屋の店長をしております青木和宏です。
前回はフーディーズポート2の和洋酒売場を取り上げましたが、今回はその中に併設された2つのバーカウンターについてご紹介します。
前回の記事はこちら。
■【連載】「酒呑み天国」とまで称される横浜髙島屋の和洋酒売場。そのラインナップに注目!
※過去の連載記事はこちら:LOVE YOKOHAMA! ヨコタカ店長が語る横浜の楽しみ方
まずは、酒ソムリエ 赤星慶太氏監修のフードペアリングバー「BAY-ya」から。SNS上では、「下手なコース料理より満喫」「定期的に通いたい」「酒飲みなら心躍る」「本格的なペアリングが体験出来て楽しいお店」「組み合わせに感動」といったコメントをいただけるほど、評判を呼んでいます。
およそ50種の日本酒とおよそ30種のフードを掛け合わせたペアリングメニューのほか、オススメのワイン、焼酎、ウイスキーも単品でご用意。「幻の焼酎」と称される「森伊蔵」や「ザ・プレミアム・モルツ マスターズドリーム」の樽生が常時味わえるのも魅力のひとつです。また、運がよいとめったに出回わらない貴重なお酒に出合えることも。これまでも、日本酒では「獺祭3割9分槽場汲み」「蓬莱泉 空」「清泉 亀の翁」、焼酎では「村尾」「伊佐美」、ワインでは「ドメーヌタカヒコ」「モンガク谷ワイナリー」、ウイスキーでは「イチローズモルト」や「山崎・白州」の年代物などが提供され、お酒好きのみなさまから歓声が上がることもしばしば。稀少酒を除けば、ほとんどのアルコールメニューが隣接のお酒売場にラインアップされているので、お気に召したらもちろんその場で購入することもできます。
そして何と言っても、ここの目玉は「日本酒ペアリングのスペシャリスト」として称賛される酒ソムリエ赤星慶太氏監修のオリジナルペアリングメニューです。その数あるペアリングメニューの中で特に私がおすすめしたいのは、次の3つ。
・「特製漬マグロのタタキ 梅とオリーブソース(968円)」×[菊の里酒造]大那 純米吟醸 那須産五百万石(60ml、550円)
・「和牛・ウニ・アボカドタルタル温泉卵のせ(1,650円)」×[増田徳兵衛商店]MIYAVI Junmai Daiginjo(60ml、1320円)
・「ピスタチオのジェラート(462円)」×[成龍酒造]伊予賀儀屋 無濾過純米吟醸 黒ラベル(60ml、550円)
これらはリピートでご注文される方も多いとか。ジェラートなど、デザート系とのペアリングは最初はためらいましたが、実際に味わってみると、それはもう感動レベルでした。
ここで私も教わった「ペアリングの作法」をレクチャーしたいと思います。
①まずはそのままお酒を飲んで。
②次にフードをつまんで
③もう一度お酒を口に入れてみる。
相性がよいのはもちろんですが、驚くほど味わいの感じ方が変わってきます。旨みが増幅して感じられたり、最初に気づかなかった香りの成分を発見したり。ぜひ体感してみてください。
なお、私はランチでもときどき利用しています。そもそもお料理がどれもおいしいので、お酒抜きでも十分に満喫できます。新潟名物の「タレカツ丼(990円)」や「グラタン(638円~)」などはヘビロテメニューですね。
ちなみに、「BAY-ya」を運営しているのは、大正9年創業の新潟県長岡市の老舗米店、店名の由来は、横浜の「BAY」と「米」屋をかけたもの。とりわけ米へのこだわりは強く、メニューに使用しているお米はすべて新潟県小国のコシヒカリで、BAY-ya名物の「出汁かけご飯」(1078円~)はランチメニューとしても人気です。店名のロゴは、書道家の武田双雲氏が揮毫(きごう)しました。
そんな「BAY-ya」の魅力に取りつかれ、沼のようにハマる方も続出。週1回以上訪れる方は実に30名以上もいらっしゃるようです。ぜひ一度は足を運んでいただきたいバーです。
もうひとつのバーカウンター、それは「レ・カーヴ・ド・タイユヴァン 横浜」のテイスティングカウンター。
「タイユヴァン」は、フランス パリの歴史あるレストランで、1973年からこれまで星を守り続け、最も予約が難しいレストランのひとつとされています。料理はもちろんのこと、ワインのセレクションでも世界的に高い評価を受けていることでも知られています。「レ・カーヴ・ド・タイユヴァン 横浜」、タイユヴァンの精神を完璧に体現したワインショップ。“厳選されたフランスワインのセレクトショップ”として、ボルドー、ブルゴーニュを中心に、フランス各産地を網羅したおよそ420種類を厳選して品揃えしています。そうした魅力を体現するのが、ここでご紹介するテイスティングカウンター。常時5種類のワインを有料でお楽しみいただけるほか、年間を通じた各種イベントも開催されています。注目は、現在毎週金土日限定で提供されている「週末スペシャルテイスティング」。ボルドーの格付ワインやブルゴーニュ人気生産者の特級畑、また生産量極僅かなヴィンテージシャンパーニュなど、希少性の高い特別なワインを数量限定で提供していて、それを目的にご来店されるお客様も多くいらっしゃいます。
先日、私がバーカウンターに立ち寄った際には、あのフランスボルドー地方の1級シャトーが手掛ける白ワイン「パヴィヨン・ブラン・デュ・シャトー・マルゴー」が週末スペシャルテイスティングとして提供されていました。「シャトー・マルゴー」は白ワインの生産量がごくわずかでほとんど市場に出回らないとのこと。私も初めて飲みましたが、さまざまな果実を想わせる複雑な香りと芳醇な味わいはうっとりするおいしさでした。のちにスタッフに聞いたところ、こちらのワインの本来の飲み頃は何十年も先とのこと。こんなにもおいしいワインが時を経てさらにおいしくなる。なるほどワインは深いなと改めて実感しました。
こういったワインの物語やこだわりを聞きながらじっくりと味わう時間は本当に格別で、ついつい長居してしまいます。
こちらもカウンターで提供しているワインは、一部の限定品を除いてその場で購入することが可能です。また、ソムリエがフードペアリングなどの相談にものってくれるので、フーディーズポートの惣菜とあわせて、お家でペアリングディナーというのも素敵ですね。
こちらはワイン商社直営のため、ボトル数千円~数万円というワインも比較的手ごろな価格でグラス提供されていて、夕方や週末は都内からもワインファンが集まるそう。ワイン好きの方、これからワインを勉強したいという方、お気軽にカウンターに座ってみてください。
※時期によってメニューが変更になる場合がございます。
1年間にわたって連載して来ました「LOVE YOKOHAMA! ヨコタカ店長が語る横浜の楽しみ方」。とても名残惜しいのですが、このたび横浜高島屋店長を退任することになったため、今回が最後となります。「とても参考になった」というお声もいただき、とてもうれしく思います。いよいよこれからは、横浜で暮らしてみて体感した街の魅力を連載で綴っていこうと思っていただけにとても残念です。これからも横浜高島屋は魅力的な店づくりに磨きをかけていきますので、引き続きご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります