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Microsoft Developer Dayの最後はMicrosoft MVPたちのラウンドテーブル

Microsoft MVPたちが率直に語るマイクロソフトへの期待、強み、提言とは?

2022年02月22日 09時00分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII
提供: 日本マイクロソフト

 2月3日に開催されたMicrosoft Developer Dayの最後のラウンドテーブルにゲストとして登壇したのはMicrosoft MVPやRegional Directorを務める亀渕景司氏(pnop)、小島淳氏(オルターブース)、三宅和之氏(ゼンアーキテクツ)の3人。マイクロソフト コーポレーション グローバル ブラックベルト Azure App Innovation スペシャリストである井上章氏がモデレーターを務め、ゲストに質問を投げかけた。

レガシーな日本企業の制約を解き放ち、モダナイゼーションを加速

 ラウンドテーブルには、Microsoft MVPやRegional Directorを務めるマイクロソフトには一言ある人たちが揃った。自己紹介が終わったあと、井上氏がまずテーマとして掲げたのは、今回のセッションを踏まえたマイクロソフトへの期待。Visual Studio 2022や.NET、Azureはもちろん、今回はGitHubのプロダクトが全面的にアピールされたこともあり、3人からはさまざまな意見が聞かれた。

「オルターブースがやっているのはAzureのインテグレーションというより、アプリのモダナイゼーションのコンサルティング。レガシーも含めたお客さまの資産をよりクラウド化して、柔軟に対応できるようにしている。それに対して、Microsoft AzureやVisual Studio、GitHubなどのツールを使っている。僕らのマイクロソフトへの期待値は、まだまだレガシーな部分の多い日本を盛り上げ、モダナイゼーションの速度を上げていくこと」(小島氏)

オルターブースの小島淳氏(左)

「個人的には、マイクロソフトに買収されて以降、GitHubの進化の速度が加速していると思う。特にGitHub Codespacesは衝撃的で、今まで時間がかかっていた開発環境の構築をまったく意識しなくても済むようになる。企業ごとのハッカソンワークショップでは環境構築に半日から一日かかっていたが、その時間がほぼゼロ。GitHub Codespacesにあらかじめ環境を用意しておけば、クリック1つでブラウザ上に環境が立ち上がる。開発者のベロシティは上がったし、通常の業務を考えたらとんでもない改革、生産性の向上が期待できる」(三宅氏)

「マシンのメモリが4GBとか、一般社員と同じアクセス制限がかかっていたり、開発環境を入れられないことも多い。時間やお金をかければできるという話ではなく、そもそも入れられない。それが(Codespacesがあれば)できるというのが大きい」(三宅氏)

「僕らのお客さまにあたるエンタープライズは開発環境の標準化を進めているので、専門のVDIを立ち上げたり、ネットワーク構成も複雑。ちょっと前は僕らもコンテナで提供していましたが、コンテナを扱えないところがほとんどなので、GitHub Codespacesなどで環境を整えていくのが一番いいと思います」(小島氏)

どんどん進化する開発ツールのAI機能 開発者はどう使いこなす?

 マイクロソフトへの期待について聞かれた3人目の亀渕氏は、開発者にフォーカスしたVisual Studioの完成度をまずは高く評価する。

「Azureというクラウドプラットフォームも12年、Visual Studioも20年以上の実績を持っている。ここに来てVisual Studioも64ビット対応し、開発者の余計な煩わしさを取り去る順当な進化を遂げているなという印象がまず1つ。デバッグを中断しないで使えるホットリロードやAIを使ったIntelliSenceやIntelliCodeなどの補助ツールも充実していて、動かす環境もWindowsだけでなく、MacやLinuxも、Arm64もサポートしている。デプロイもAzureに行なえるし、総合的なIDEとしてはかなり完成していると思っている」(亀渕氏)

 しかし、開発環境が強化されることで、プログラマーの成長やスキル獲得に影響が出てしまうのでは?という懸念が出ているのも確かだ。また、最近ではノーコード/ローコードと呼ばれるアプリ作成ツールも台頭し、実際にマイクロソフトもPower Platformを展開している。こういった機能の活用や本質をどう考えているのか?という井上氏の問いに対して、3人はこう応える。

「開発者としては、使えるものは何でも使って、よりいいものを素早くお客さまに提供する。やりたいことをやるのがデベロッパーの使命だと思うので、適切なツールと適切な場所で使えばいい。そう言う意味で、Visual Studioで開発し、GitHubで管理し、クラウドに展開して、データを活用するというのはよくあるやり方だし、分断するものではない」(亀渕氏)

「うちのメンバーもプラットフォームにこだわっていない。.NETだからといってWindowsを使うわけではない。とにかく最短で開発できる環境を整えるのが重要で、その環境がマイクロソフトの製品だったというだけ。その状況が一番正しいんじゃないですかね」(小島氏)

「Visual StudioのAIによる補完機能と同じく、GitHubにもCopilotという機能があるけど、補完じゃなく、名前の通りペアプログラミングしているような感覚。メソッドの名前入れるだけで、自分が入力しようとしたコードのほぼ8割近くが書かれるみたいなことが冗談じゃなく起こっています。亀渕さんの言ったとおり、本当にこういう機能をどんどん活用し、われわれはビジネスロジックに集中した方がいい。人間にとって変わられるから、脅威だみたいなことはない。大好きだから、どんどん使っている」(三宅氏)

 くしくも、3人は共通して「使えるものは使えるべき」という意見。便利な機能はどんどん活用し、スピーディに品質の高いソフトウェアを開発していくというのが、今後の開発者のコモンセンスと言えそうだ。

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