山根博士のグロスマレビュー
使いやすいサイズと「低価格」、OPPO初の折りたたみスマホ「OPPO Find N」を試す
OPPOが2021年12月に発表した「OPPO Find N」は同社初となる折りたたみ型のスマートフォンだ。OPPOは2020年11月にコンセプトモデルとして巻き取り式(ローラブル)ディスプレーを搭載した「OPPO X 2021」を発表し、他社の折りたたみデザインのさらに先を行くモデルを開発している姿を見せた。とはいえ巻き取り式スマートフォンが出てくるのはまだ数年先だろう。「片手でも持てる小型サイズと、大きなタブレット」を1台に融合するデバイスとして、OPPOはまず先に折りたたみモデルを投入したのである。なお、今回レビューで使ったのは中国版ということをご了承いただきたい。
OPPO Find Nは閉じると5.49型(1972x988ドット)、開くと7.1型(1920x1792ドット)となる折りたたみディスプレーを搭載する。ディスプレーを内側に折りたたむ「谷折り式」デザインを採用しており、同スタイルの他社の折りたたみスマートフォンと比べると閉じたときは一般的なスマートフォンに近い18:9のアスペクト比となる。そのため閉じた状態でも違和感なく使える点が特徴にもなっている。
背面は光沢仕上げで、カメラ周りはOPPOのフラッグシップモデル「OPPO Find X3 Pro」同様に背面と曲線でつなげたシームレスなデザインとしている。OPPOが近未来的と謳うデザインだが、確かにほかのスマートフォンには見られない美しさも感じられる。
閉じた状態で本体右側面を見るとカメラ部分のデザインがよりよくわかるだろう。指紋認証センサーは折りたたみディスプレーに内蔵できないために本体側面に備わっている。またボリュームボタンもこちら側に位置し、開いたときは左側面側で使うことになる。
閉じた状態で左側面を見ると折りたたみディスプレーを覆うヒンジカバーが見える。ここにはDESIGNED FOR FINDの文字が誇らしげに刻印されている。なお、残念ながら防水には非対応であり、ヒンジ部分からの水やほこりの侵入には気をつけて使いたい。
閉じた状態で本体上部を見ると、折りたたんだディスプレーがすき間なくぴたりと閉じられている構造であることがわかる。サムスンの同型モデルはここにわずかなすき間があり、気になる人には気になる存在だった。OPPO Find Nは完全に隙間なしで閉じることができる。
そして下部側を見るともちろんこちらにもすき間は見えない。下部側にはUSB Type-C端子とSIMカードトレイ、そしてスピーカーは端に2つ配置され、ステレオ再生が可能なようだ。なお4方向から見るとわかるように、本体のエッジ側は丸みを帯びた形状になっており、全体的に曲線を主体としたデザインとなっている。
閉じたときのサイズは約132.6×73×15.9mm。ちなみに5.4型ディスプレーの「iPhone 13 mini」は約131.5×64.2×7.7mmであり、縦はほぼ同等、横が広く、厚みはだいぶある。また重量は275gなので、閉じた状態ではやや重い。とはいえ18:9のディスプレーはアプリ表示も一般的であり、開けばすぐに大画面になることを考えると、このサイズは十分許容できると感じた。
ディスプレーを開くとサイズは約132.6×140.2×8.0mmとなる。ディスプレーは横が長く縦が短いタブレットと同等の形状になるため、このまま動画を見たり2つのアプリを同時に表示するときなどに使いやすいと感じられる。なお見えにくいがフロントカメラは上部にパンチホール式で3200万画素を内蔵する。
OPPO Find Nのディスプレーはすき間なく完全に折りたたむことができる。開いた状態でディスプレーの折り曲がる部分を見てみたがフラットな構造で、折り目のようなものも見えない。なおヒンジの上下側には埃などが侵入しないように小さな「堰」状のパーツが取り付けられている。
閉じていくとディスプレーは曲がっていくが、表面に波が打つようなこともなく綺麗にたたまれていく。ヒンジからは異音もせず、自由な位置で留めることも可能であり、開閉操作はスムーズにできる。
さらに折り曲げていき、最終的に閉じるとディスプレーの中央の「伸び」の部分はヒンジ部分の内側に収納される。水滴型と呼ぶデザインであり、これによりOPPO Find Nはすき間なくディスプレーを閉じることができるのである。
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